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健康的でバランスのとれた「健康的な食事プレート」

「健康的な食事プレート」は、お皿に盛られたもの、お弁当に詰められたものにかかわらず、健康的でバランスのとれた食事ができます。

健康や病気に関する様々な科学的データから、専門家たちによって考えられました。

1皿で健康的な食事

食事において、炭水化物の質は炭水化物の量よりもより重要です。

野菜(ジャガイモ以外の)、果物、全粒穀物、豆などの炭水化物源は、他よりも健康的です。

1/2皿:野菜と果物

カラフルで、種類が豊富な野菜と果物をできるだけ多く盛りましょう。フライドポテトなどジャガイモは野菜に含めません。

1/4皿:全粒穀物

玄米、全粒の小麦、大麦、雑穀、オーツ、全粒粉パスタなどの食品。

1/4皿:タンパク質

魚、鶏肉、豆、ナッツ類などの食品。赤肉(牛肉、豚肉、羊肉、ヤギの肉)はできるだけ控えて、ソーセージなど加工肉は避けましょう。

少量:健康的な植物性油

オリーブ油、キャノーラ油、大豆油、コーン油、ひまわり油、ピーナッツ油などの植物性油。マーガリンなどトランス脂肪が含まれている油は避けましょう。

健康的な脂肪摂取源については、一日あたりのカロリー摂取に占めるどれくらいの割合まで摂取するのが良いのかについては定めていません。

水、コーヒー、お茶

牛乳や乳製品は一日当たり一杯ほどにおさえ、糖分入りの飲料は

糖分入りの飲み物は、カロリーの主な摂取源になるにもかかわらずほとんどの場合、栄養価が低いため避けましょう。

活動的でいる

健康には活動的でいることも大切です。

健康や病気についての専門家が考えた

健康的な食事プレートは、ハーバード公衆衛生大学院の栄養学専門家と、ハーバードヘルス出版の編集者たちによって考えられました。

ハーバード公衆衛生大学院は、1913年にハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同プログラムとして始まりました。

米国最古の公衆衛生大学院(疾病を予防し、生命を延長し、身体的、精神的機能の増進をはかる科学・技術の公衆衛生学分野を中心に展開する大学院)の一つです。

医学、疫学、統計学などの様々な分野の専門家が集まり、生活習慣病や癌などの疫学的調査、肥満と栄養、大気汚染の健康影響など、世界をリードする研究をおこなっています。

健康的でバランスの良い1プレート料理

「健康的な食事プレート(Healthy Eating Plate)」は、毎日、健康的でバランスのとれた食事をするためガイドです。

自宅で皿に盛るときも、お弁当を作って持っていくときにも、この健康的な食事プレートを思い起こして作りましょう。

野菜と果物をできるだけ多くする(1/2皿)

カラフルで、種類が豊富になるように、野菜と果物をできるだけ多く盛りましょう。

毎日たっぷり食べます。量と同じくらい、種類の豊富さも重要です。

サラダ、スープ、炒め物とレシピを増やし、より多くの野菜を食べましょう。

多様な野菜と果物

毎日、以下のカテゴリーのに含まれる野菜や果物を、それぞれ少なくとも1つ食べるようにしましょう。

  • 黄色・オレンジ色の果物と野菜
  • 赤い果物と野菜
  • 豆類
  • 柑橘系の果物

血糖にあまりいい影響を与えないため、ジャガイモは野菜に含めません。

果物と野菜は健康に良い

野菜や果物が豊富な食事は、

  • 血圧を下げる
  • 心臓病や脳卒中のリスクを減らす
  • ある種の癌を防ぐ
  • 目や消化器系の問題を起こしにくくする
  • 血糖に良い影響を与える
  • 便秘を軽減または予防する
  • 食欲を維持する

ことに役立ちます。

リンゴ、大豆、カリフラワーは、適正体重へのダイエットや維持に効果があります。

果物(フルーツ)と血糖値

果物(フルーツ)は、果糖が血糖値を急上昇させるため、体に悪いと言われたり、太りやすいなど言われることがあります。

しかし果物には天然の糖と他の多くの有益な栄養素を含んでいます。

生鮮(フレッシュフルーツ)や冷凍フルーツの血糖負荷は低くなります。

缶詰と栄養

缶詰めは、細菌を破壊するために熱処理などを使用しています。

缶詰の果物や野菜は、農産物の種類、加工の仕方により、失われる栄養素が異なります。

また冷凍や冷蔵でも、冷凍することや冷蔵する期間とともに減る栄養素はあります。

精製された穀物の代わりに全粒穀物を選ぶ(1/4皿)

全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)とは、全粒の小麦、大麦、雑穀、オーツ、玄米、またそれらから作られた全粒粉パスタなどの食品のことです。

白米の代わりに玄米を、精白パンの代わりにライ麦パンや全粒粉パンを、うどんの代わりに蕎麦を、選びましょう。

全粒穀物は栄養豊富!

精製された穀物は、精製過程で貴重な栄養素を含む表皮(ふすま)、胚芽が取り除かれています。

全粒穀物の表皮(ふすま)や胚芽には、ビタミンB、ビタミンE、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、ファイトケミカル、抗酸化物質が豊富です。

糖尿病や心臓病を防ぐ

精製された穀物に比べて、全粒穀物は血糖やインスリン分泌への影響が比較的軽度で、糖尿病リスクを下げることができます。

全粒穀物の摂取により、心血管疾患(心臓発作、脳卒中)や神経変性疾患による死亡リスクを低下させた報告もあります。

タンパク質のちから(1/4皿)

適切な量のタンパク質を摂ることだけではなく、何からタンパク質を摂るかにより、いくつかの病気のリスクを下げます。

植物由来のタンパク質

できるだけ植物由来のタンパク質を摂りましょう。豆、ナッツ、種子、全粒穀物はタンパク質を含みます。

マメ科:
レンズ豆、小豆、黒豆、ソラマメ、ヒヨコマメ、リマ豆、緑豆、エンドウ豆、枝豆、大豆(大豆製品:豆腐、テンペ、味噌、納豆など)、ピーナッツ

ナッツと種子:
アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピーカンナッツ、ヘンプシードナッツ、カボチャの種(パンプキンシード)、ヒマワリの種、亜麻の種(フラックスシード)、ゴマ、チアシード

全粒粉:
小麦、キヌア、米、キビ、オートムギ、そば

その他:
多くの野菜や果物には、他の植物性食品よりも少量ですが、タンパク質が含まれています。

タンパク質の量が多い野菜の例:
コーン、ブロッコリー、アスパラガス、芽キャベツ、アーティチョーク

動物由来のタンパク質

動物性のタンパク質は、様々なシーフード(魚、甲殻類、軟体動物)からと、家禽(かきん)の鶏肉(チキン)、七面鳥(ターキー)、アヒルなど、卵から摂りましょう。

赤肉(牛肉、豚肉、羊肉、ヤギの肉)は、少量にするか、特別な場合にだけ食べることにしましょう。

ベーコン、ハム、ソーセージなどの加工された肉は避けるべきです。

日本の鶏肉と鶏卵

EUでは鶏を育てるのに、バタリーケージの規制や禁止する国が増えていて、アメリカは州によって禁止しています。

日本では養鶏場の92%がバタリーケージを採用していて、採卵鶏の98%がバタリーケージで飼育されています。

健康的な食事プレートは、世界中の科学的なデータ、研究結果から考えられていますが、日本での鶏肉(チキン)や鶏卵が健康的なタンパク質なのか判断はできません。

タンパク質と病気

加工肉を定期的に食べることは、心臓病や脳卒中の危険性の増加、そして心血管疾患による死亡リスクが上がります。

豆、大豆食品、ナッツ、魚などの健康なタンパク質に変えることで、これらの死亡リスクが下がります。

食品に含まれる脂肪の種類が異なるためだと考えられます。

また赤肉(牛肉、豚肉、羊肉、ヤギの肉)や加工肉を多く食べる人は、糖尿病と癌死のリスクが上昇します。

健康的な植物性油(ほどほどに)

脂肪は3大栄養素の1つで、健康的な食事の重要な部分ですが、最も重要なのは脂肪の種類です。

低脂肪食をするよりも、有益な「良い」脂肪を食べることと、有害な「悪い」脂肪を避けることが、より重要です。

「良い」不飽和脂肪を含む食品を選び、飽和脂肪の多い食品を制限し、「悪い」トランス脂肪を避けます。

低脂肪であれば健康的だというのは間違いであることを念頭に置いて下さい。

良い脂肪:不飽和脂肪
一価不飽和および多価不飽和脂肪

不飽和脂肪を摂ることで、病気の危険性がより低くなります。

高脂肪の食品には、植物油(オリーブ、キャノーラ、ヒマワリ、大豆、トウモロコシなど)、ナッツ、種子、魚などがあります。

悪い脂肪:トランス脂肪

トランス脂肪は、食べる量が少量でも、病気のリスクを高めます。

トランス脂肪を含む食品は、主に部分硬化油からのトランス脂肪で作られた加工食品です。

マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使った菓子パン、ケーキ、ドーナッツ、ビスケットなどの洋菓子、スナック菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれています。

飽和脂肪

飽和脂肪は、トランス脂肪ほど有害ではないが、不飽和脂肪と比較して健康に悪影響を及ぼすため、適度に消費するようにしましょう。

飽和脂肪を多く含む食品には、赤肉(牛肉、豚肉、羊肉、ヤギの肉)、バター、チーズ、アイスクリームなどがあります。

ココナッツ油やパーム油のような植物性脂肪の中には、飽和脂肪が豊富なものもあります。

赤肉やバターのような食べ物を減らす場合、魚、豆、ナッツなどの健康的な脂肪を含む食べ物を代わりに食べてください。

水、コーヒー、お茶を摂取する

渇きを癒すために、水は最良の選択です。甘味料を加えていないコーヒーと紅茶も健康的な選択となります。

ダイエット飲料、100%フルーツジュース、牛乳を飲む場合は、一日当たりコップ一杯程までにしましょう。

炭酸飲料、スポーツ飲料、エネルギードリンクなどの甘い飲み物は避けてください。

砂糖を含んでいる飲み物は、最悪の選択です。多くのカロリーを含み、そして他の栄養素を実質的に含みません。

高糖飲料を摂取すると、体重が増加し、2型糖尿病、心血管疾患および痛風のリスクが高まる可能性があります。

活動的でいる

高品質の食品を食べることに加えて、身体活動は健康的な体重にすることや、維持するのに役立ちます。

定期的な運動をすることは、健康のためにできる最善のことの一つです。

心臓病、糖尿病、脳卒中、高血圧、骨粗鬆症、そしてある種の癌の危険性を下げ、そしてまたストレスの管理、睡眠の改善、気分の向上、体重の抑制、転倒の危険の減少と認知の改善にも役立ちます。

健康増進のために、マラソンを走る訓練は必要ありません。週5日の30分の早歩きで十分です。

座りがちなライフスタイルは、太りすぎになり、多くの慢性疾患を発症する可能性が高まります。

テレビを見たり、車に乗ったりして、毎日多くの時間を座って費やす人のほうが、活動的な人よりも早く死亡する可能性が高いことが研究によりわかっています。

2章 食