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砂糖:握りつぶされた真実

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50年もの間、砂糖へのマイナスイメージを握りつぶされていました。

研究結果
「糖分の過剰摂取が心疾患のリスクを上げる」

公表論文
「脂肪の摂取こそが心疾患のリスクを上げる」

製糖業界が科学者を買収していたことが明らかになっています。

「砂糖に悪いイメージを持ってほしくない」という製糖業界が、圧力をかけて、内容をねじ曲げられた科学論文が広まっていました。

業界団体と研究者の癒着

エビデンス(科学的根拠)があるかは、健康に関する情報で大切です。

しかし残念なことに、企業の利益のために、事実を歪められて発表されているケースが多々あるのです。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者たちが発見したのは、業界団体と研究者の結びつきを証明するような驚くべき事実です。

2016年に砂糖研究財団(現在の砂糖協会)のアーカイブ文書から発見されました。

消された研究結果

1950年代から1960年代初頭にかけての砂糖に関する研究では、
「低脂肪で糖分の多い食事が、体内のコレステロール値を大きく上昇させることを裏付けるデータ」
がそろっています。

しかし、製糖業界は圧力をかけてこれらの研究結果をなかったものにしていきます。

文書によれば、砂糖研究財団は、ハーバード大学で栄養学科の学長を務めていたフレドリック・ステアー氏に砂糖研究の助力を求めました。

さらに、そのステアー氏は、同学科のメンバーであったマーク・ヘグステッド氏とロバート・マクギャンティ氏を、砂糖研究財団と引き合わせます。

そしてスタートしたのが、ステアー氏を監督役としてヘグステッド氏とマクギャンティ氏が主導で行った「プロジェクト226」という研究プロジェクト。

悪影響を及ぼすのは飽和脂肪ということに

プロジェクト226では、
「砂糖と心疾患の関係性を軽視し、砂糖よりも飽和脂肪がより人体に悪影響を及ぼす」
という調査結果を複数公開していくこととなります。

そしてさらに今回明らかになったところによると、これらの調査結果を公表したことで、研究に関わった科学者たちは総額6500ドル、2016年のレートで推定4万8900ドル(約500万円)を受け取っていたそうです。

ヘグステッド氏とマクギャンティ氏が共同執筆し、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで公表された論文は、砂糖に関する研究結果を軽視し、「脂肪が心臓疾患の主要な原因となっている」と主張。

さらに、結論としては
「飽和脂肪の摂取を減らすことで、心臓疾患の発症率が下がることに疑いの余地はない」
としています。

誤解により流行した
「低脂肪で糖分の多い食事」

こういった研究結果が公表されてからも、製糖業界から研究者に対する、心疾患やその他の病と砂糖の関係性を解き明かすための資金提供は続けられてきました。

しかし、ヘグステッド氏とマクギャンティ氏の先行研究により、1980年代まではほとんどの科学者が心疾患における砂糖の役割に見向きもしていなかったそうです。

実際、1980年公開の「アメリカ人のための食生活指針」では、心疾患を防ぐために「脂肪と食事性コレステロールの摂取を控えること」と書かれているそうです。

「製糖業界の関与が、砂糖と脂肪が冠動脈心疾患の原因であると栄養学研究が判断することに大きな影響を与えた」
とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者たちは主張しています。

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