砂糖は過剰摂取により、健康への影響や、様々な病気を引き起こす原因となっているという意見があります。
砂糖による健康への影響・病気
血糖値
単糖と多糖類
全粒穀物や野菜に含まれる食物繊維は、多糖類であることが多く消化されにくいものです。
しかしブドウ糖などの単糖は、消化・吸収されやすく血糖値をすぐに上げるという違いがあります。
異性化糖と果糖
異性化糖(コーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖)は体内への吸収が早いため、血糖値の急上昇はすさまじい。
果糖は、ブドウ糖に比べて血糖値の上昇はほとんどしませんが、危険なのはAGEs。このリスクがブドウ糖の10倍です。
肥満
1960年代にブドウ糖を果糖に変換する技術によって、より甘みの強いコーンシロップが発明され、大量消費されるようになります。
このコーンシロップのアメリカでの消費量は、1970年から1990年にかけて10倍に増加していることが、肥満の増加を反映していると研究者は指摘しています。
「レプチン」というホルモンは人に満腹を感じさせる作用がありますが、高果糖のコーンシロップはペプチンの値を上昇させないので、肥満を引き起こすという主張もおこなわれています。
2型糖尿病
1日に1本以上のソフトドリンクやジュースを飲む人は、それらをほとんど飲まない人に比べて糖尿病になりやすいと示されました。
心臓病
米国疾病予防センターCDCのYang博士は、
「ほとんどの米国人は砂糖を摂りすぎている。
砂糖を最も多く摂取する人では、
最も少なく摂取する人に比べて、
心臓病で死亡する人が2.75倍も多い」
という調査結果を発表しました。
同協会は、砂糖の摂取を、
- 女性:25g 以下/1日
- 男性:37.5g 以下/1日
にするよう勧めています。
食べ物に含まれる糖類
食べ物に添加される糖類、特に果糖が健康への影響が懸念されています。
肝臓が果糖を分解すると、最終的に中性脂肪が作られます。血中に放出された中性脂肪は血栓をできやすくし、心臓病の原因になるともいわれています。
また、15年間にわたって行われた研究で、1日の必要カロリーのうち25%を添加糖から取る人は、添加糖から摂取するカロリーが10%以下の人に比べて、2倍以上も心臓病のリスクが高いとも研究で示されています。
痛風
過剰な砂糖は痛風をもたらします。
果糖の摂りすぎは、体内でプリン体を作り出します。
尿路結石症
高カルシウム尿症の尿路結石症患者は、砂糖の過剰摂取をしないように勧告されています。
砂糖や糖類を多く含む甘い清涼飲料は、カルシウムを過剰排泄させる危険があります。
がん
過量の砂糖は、がんを増やします。
過量の砂糖は肥満をもたらすが、肥満になると各種のがんが増えます。
例えば、乳がん、子宮内膜がん、大腸がん、膵臓がんなど。
また「過剰なインスリンがあると、前がん病変は、成長や分裂を強いられて、がんへの突然変異を起こしやすい」という意見があります。
膵癌
スウェーデンにおける1997年~2005年のコホート研究において、膵癌との関連が指摘されています。
砂糖や高糖分の食品を大量に摂取すると、膵臓がんのリスクが高くなる可能性があります。
認知症
砂糖によって生じた高インスリン血症が、アルツハイマー病を引き起こすという意見があります。
インスリンは、血液ー脳関門(BBB、Blood Brain Barrier)を越えて、脳内に入り込みます。
脳内の過剰なインスリンが、神経細胞に作用して、記憶障害を引き起こします。
注意欠陥・多動性障害 (ADHD)
注意欠陥・多動性障害 (ADHD) と砂糖との関連を示す、小規模な研究報告が、継続的に報告されています。
2006年には、5000人以上と規模の大きい研究で、砂糖の多いソフトドリンクの摂取量とADHDとの相関関係が観察されました。
情緒不安定(苛立ち)
砂糖は気分の不安定さをもたらします。
砂糖を摂取すると、血糖は急速に上昇します。すると膵臓よりインスリンが放出され、血糖は逆に急速に低下します。
その時に空腹感を感じ、眠気を感じます。イライラしたり、怒りっぽくなる場合があります。