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砂糖より危険:果糖ブドウ糖液糖

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食品の原材料表記を見ると「果糖ブドウ糖液糖」と記載されているものをよく見かけます。

飲み物では、炭酸飲料、ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、紅茶、乳酸菌飲料などに使われています。

食べ物では缶詰、パンの他、調味料にまで幅広く使われています。

この果糖ブドウ糖液糖とは何でしょうか?

異性化糖(高果糖コーンシロップ)

果糖ブドウ糖液糖は、「異性化糖」の分類になります。

異性化糖とは、高果糖コーンシロップとも呼ばれていて、コーンシロップ(トウモロコシ)を、酵素かアルカリによって異性化した果糖とブドウ糖を主成分とする糖です。

日本農林規格 (JAS) で、異性化糖製品は以下のように制定されています。

JASで制定された異性化糖製品
表示 果糖含有率
ブドウ糖果糖液糖 50%未満
果糖ブドウ糖液糖 50%~90%
高果糖液糖 90%以上
  • ブドウ糖果糖液糖
    果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が 50%未満のもの。
  • 果糖ブドウ糖液糖
    果糖含有率が 50%以上 90%未満のもの。
  • 高果糖液糖
    果糖含有率が 90%以上のもの。
  • 砂糖混合異性化液糖
    上記の液糖に 10%以上の砂糖を加えたもの(その液糖がブドウ糖果糖液糖であれば、砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)。

飲み物に含まれる果糖ブドウ糖液糖

飲み物の原材料を見てみると、ジュースや炭酸飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、紅茶、乳酸菌飲料にまで幅広く使われていることがわかります。

飲料の原材料
飲料名 原材料名
コカ・コーラ 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)
/炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン
スプライト 果糖ぶどう糖液糖、果汁(レモン、ライム)
/炭酸、香料、酸味料、甘味料(ステビア)、酸化防止剤(ビタミンC)
三ツ矢サイダー 砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)
/炭酸、香料、酸味料
午後の紅茶
ストレートティー
砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、紅茶
/ビタミンC、香料
バヤリース オレンジ オレンジ、砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖、ぶどう糖)
/酸味料、ビタミンC、香料
リアルゴールド 果糖ぶどう糖液糖、ローヤルゼリー、高麗人参エキス
/炭酸、香料、ビタミンC、クエン酸、アスパラギン酸Na、ナイアシン、グルタミン酸Na、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンP、フェニルアラニン、イソロイシン、スレオニン
アクエリアス 果糖ぶどう糖液糖、塩化Na
/クエン酸、香料、クエン酸Na、アルギニン、塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン
守る働く乳酸菌 砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、脱脂粉乳、乳酸菌粉末
/酸味料、安定剤(大豆多糖類、ペクチン)、香料

果糖ブドウ糖液糖の甘さ

異性化糖は、砂糖より甘みが口中に残りにくく、低温下で甘みが強くなります。

甘味度の強さ

甘味度(甘みの強さ)の順です。

果糖 > 砂糖 > ブドウ糖

砂糖と甘味度を100とすると、ブドウ糖が65~80、果糖が120~170となります。

糖の相対的な甘さ
甘味度
ブドウ糖 65~80
砂糖 100
果糖 120~170

果糖分42%のブドウ糖果糖液糖の甘味度は 70~90、果糖分55%の果糖ブドウ糖液糖は100~120となります。

ただし、異性化糖の甘さは温度によって大きく左右されます。

果糖は、高温では砂糖の60%の甘味度(甘みの強さ)しかなく、40℃以下でないと砂糖よりも甘くなりません。

果糖ブドウ糖液糖のメリット

  • 価格が安い
    (果糖分55%の果糖ブドウ糖液糖は、砂糖の7割程度)
  • 低温での利用に向いている
    (熱には弱く、加熱すると着色してしまう)
  • 粘性が少ないため、取り扱いやすく、タンクローリー等により大量に運送したり、タンクに保存・貯蔵したりすることが容易である

果糖ブドウ糖液糖の危険性

異性化糖の主成分である果糖(フルクトース)は、主に遺伝子組み換えされたトウモロコシを原料に、ブドウ糖の一部を科学的に果糖に変化させたものです。

この果糖のとりすぎが、肥満や糖尿病の原因になっている可能性があります。

糖尿病リスクが上昇

異性化糖は、高果糖コーンシロップとも呼ばれ、多くの加工食品に含まれています。

高果糖コーンシロップは、甘味が強くコストの安い添加物として食品業界に受けいれられ普及しました。

ごはんやパン、パスタ、穀類、いも類や野菜などに含まれる炭水化物が複合糖質であるのに対し、果糖やブドウ糖は吸収されやすい単糖類です。

果糖を多量にとり続けると、血中の中性脂肪が上昇しやすくなるという研究が報告されています。

南カリフォルニア大学とオックスフォード大学の共同研究チームは、42ヵ国を対象に高果糖コーンシロップの消費量と2型糖尿病の有病率との関連を調べました。

2型糖尿病の発症との関連を調べたところ、発症率は高果糖コーンシロップの摂取量が多い国で8%であるのに対し、摂取量が少ない国では6.7%でした。

高果糖コーンシロップの摂取量と2型糖尿病の有病率
摂取量が多い国:8%
摂取量が少ない国:6.7%

高果糖コーンシロップを多く摂取している国では、あまり摂取していない国に比べ、2型糖尿病の有病率が約20%上昇しています。

過剰な摂取は肥満にもつながります。

「果糖は、ブドウ糖と異なるメカニズムで代謝される。
肝臓でブドウ糖より早く中性脂肪に変えられる。

このことが、果糖の消費の多い米国やメキシコで、非アルコール性脂肪肝の有病率が上昇している一因となっている可能性もある」
と指摘されています。

「果糖」は血糖値を上げない

果糖(フルクトース)は、単糖の一つで、ハチミツ、木に成る果実、ベリー類、メロン、ある種の根菜に多く含まれています。

デンプンを酵素または酸により加水分解して得られる異性化した果糖を、フルーツに含まれる糖分と同じように考えるのは危険です。

異性化糖は、1970年代後半より砂糖の代わりとして使われ始めて、今では砂糖類の4分の1程度にまでなっています。

果糖は、ほとんどが肝臓で代謝され、インスリンを必要としないので、血糖値を上げません。

果糖のグリセミック指数はとても低くなっています。

血糖値の急上昇が肥満や糖化につながると考えられるため、果糖のように血糖値を上げなければ、肥満を防ぐのではないかと考えられました。

ブドウ糖を摂ると、インスリンを分泌し血糖値があがることで、脳は満腹感を感じ、食欲が抑えられます。

しかし果糖は、インスリンを必要とせず血糖値を直接的には上げません。

満腹感を感じないので食欲が抑えられず、結局摂取し過ぎてることで、脂肪が蓄積され、肥満などにつながると考えられています。

「果糖」は老化させる

加熱したときなどに見られる、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応はメイラード反応と呼ばれます。

体内で起こるメイラード反応が、老化を進行させる体の糖化であることが明らかになってきました。

そして果糖は、メイラード反応をブドウ糖より7倍速く発生させることがわかっています。

この差異は一見すると微々たるものに思えますが、体中の細胞をより速く老いらせ、老化現象、がん、認知機能の低下など、さまざまな退行変性プロセスを引き起こしかねません。

あらゆる臓器で代謝されるブドウ糖とは違い、果糖はほぼ肝臓でしか代謝されません。
(ごく稀なケースでは腎臓も少量の果糖を代謝する能力を持つことがあります)

「果糖」は肝臓のインスリン抵抗性を引き起こす

果糖は、肝臓内で炎症を引き起こす肝酵素を活性化します。

これによりインスリン作用の主要メッセンジャーが不活性化され、肝臓はインスリン抵抗性になります。

肝臓でインスリンの作用が欠乏するということは、ブドウ糖を低く抑える手段がなくなり、血糖値が上がります。

高血糖が続くことにより、糖尿病が引き起こされます。

糖類