世界保健機関(WHO)は、
ガイドラインで大人でも子供でも、
1日当たりの糖類(遊離糖類)摂取量を
「エネルギー総摂取量の10%未満」
に減らすよう勧めています。
「エネルギー総摂取量の5%未満」
1日25g(ティースプーン6杯分)程度の量に
減らすことで、さらに健康効果が増えるとしています。
スターバックス コーヒーの「コーヒー フラペチーノ」は、Tallサイズで砂糖量が49gありますので、一杯でオーバーしてしまいます。
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世界保健機関(WHO)は、
ガイドラインで大人でも子供でも、
1日当たりの糖類(遊離糖類)摂取量を
「エネルギー総摂取量の10%未満」
に減らすよう勧めています。
「エネルギー総摂取量の5%未満」
1日25g(ティースプーン6杯分)程度の量に
減らすことで、さらに健康効果が増えるとしています。
スターバックス コーヒーの「コーヒー フラペチーノ」は、Tallサイズで砂糖量が49gありますので、一杯でオーバーしてしまいます。
食品によっては、一品だけで1日25gを超えてしまいます。
スターバックス コーヒー
「コーヒー フラペチーノ」
サイズ:Tall
砂糖量:49g
スターバックス コーヒー
「キャラメル フラペチーノ」
サイズ:Tall
砂糖量:46g
スターバックス コーヒー
「カフェ モカ」
サイズ:Tall
砂糖量:28g
マクドナルド
「マックシェイク バニラ」
Mサイズ
砂糖量:42g
コカ・コーラ
500ml
砂糖量:56.5g
ヤクルト
砂糖量:12g(国立健康・栄養研究所より)
コーヒー飲料(小)
砂糖量:18g(国立健康・栄養研究所より)
サイダー缶
砂糖量:36g(国立健康・栄養研究所より)
マクドナルド
「マックフルーリー オレオクッキー」
砂糖量:29g
どらやき
砂糖量:38g(可食部100g中、文部科学省より)
きんつば
砂糖量:40g(可食部100g中、文部科学省より)
練りようかん
砂糖量:56g(可食部100g中、文部科学省より)
シュークリーム
砂糖量:38g(可食部100g中、文部科学省より)
どらやき
砂糖量:15g(可食部100g中、文部科学省より)
どらやき
砂糖量:38g(可食部100g中、文部科学省より)
ショートケーキ
砂糖量:23g(可食部100g中、文部科学省より)
プレーン・チョコレート
砂糖量:62g(100g中、英国政府より)
フルーツ・ヨーグルト
砂糖量:17g(100g中、英国政府より)
トマト・ケチャップ
砂糖量:28g(100g中、英国政府より)
プレーン・チョコレート
砂糖量:62g(100g中、英国政府より)
レシピにより異なるので、目安です。
酢豚
砂糖量:5g(1人前)
カツどん
砂糖量:7g(1人前)
ラーメンのツユ
砂糖量:3g(1人前)
寿司ご飯
砂糖量:10g(米1合中)
糖類(遊離糖類)は、単糖類(ブドウ糖・果糖など)と二糖類(しょ糖・砂糖など)のことです。
食品・飲料に添加する糖類のほか、蜂蜜・シロップ・フルーツジュース・濃縮果汁の中に天然に存在しているもの含まれます。
ただし果物や野菜に含まれる糖分や、牛乳に自然に含まれる乳糖は、糖類(遊離糖類)摂取量には含めていません。
今日、消費される多くの糖類は、加工食品の中に「隠されて」います。
例えば、大さじ1杯分のケチャップには4g(ティースプーン1杯分)の遊離糖類が含まれています。
食べ物に添加される糖類、特に果糖が健康への影響が懸念されています。
肝臓が果糖を分解すると、最終的に中性脂肪が作られます。血中に放出された中性脂肪は血栓をできやすくし、心臓病の原因になるともいわれています。
また、15年間にわたって行われた研究で、1日の必要カロリーのうち25%を添加糖から取る人は、添加糖から摂取するカロリーが10%以下の人に比べて、2倍以上も心臓病のリスクが高いとも研究で示されています。
炭酸飲料では、1缶に40g(ティースプーン10杯分)もの遊離糖類が含まれています。
炭酸飲料を1日に1缶飲むだけで、エネルギー総摂取量の5%未満(25g)をオーバーしています。
2型糖尿病の研究でも、1日に1本以上のソフトドリンクやジュースを飲む人は、それらをほとんど飲まない人に比べて糖尿病になりやすいと示されました。
WHOは、肥満や生活習慣病を予防するため、脂肪・炭水化物・糖類などの1日の摂取量を示すガイドラインを制定しています。
WHOは2002年から糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の「1日10%未満」を推奨していました。
WHOの健康開発栄養局長であるFrancesco Branca博士は、
「糖類摂取量をエネルギー総摂取量の10%未満に抑えるなら、過体重・肥満・う歯(虫歯)のリスクを減らせる明確な証拠があります」
と述べています。
しかし、砂糖の消費量が増加しています。そして、世界中の大人・子供ともに肥満の割合が増加しています。
WHOの報告によれば、全世界の20億人が太りすぎであり、6億5千万人が肥満であるといいます。
また、5歳~19歳の年代では、3億4千万人が太りすぎという結果が出ています。
つまり、3人に1人は、減量をする必要があるという緊急事態になっているのです。
そこでWHOは、2015年からさらに厳しい「1日5%未満」の糖類摂取量を推奨に変更しました。
WHOによると、糖類摂取量は国や年齢などで違っていて、欧州では、ハンガリーやノルウェーでは成人が7~8%、スペインや英国は16~17%。
子どもはもっと高く、デンマーク、スロベニア、スウェーデンの12%から、25%近いポルトガルまであるとのことです。
全世界の肥満増加に伴い、治療費が高額の代謝性疾患、心臓疾患、脳血管疾患も急増しています。
そして2兆ドル(約220兆円)、世界GDPの2.8%に相当する莫大な金額が、肥満によってもたらされている経済損失額だというのです。
マッキンゼーが2014年に発表した肥満に関する調査レポートで明らかにした数値です。
このレポートで、世界人口に占める肥満の割合は現在30%ですが、2030年には41%に拡大する可能性を指摘しています。
多くの人々の健康問題が悪化するだけでなく、医療費増大や生産性低下によって経済損失も拡大すると警告しています。
ワシントンポスト(The Washington Post)は、2015年2月に世界56か国の砂糖消費量データを掲載しました。
日本は、甘さ控えめで、砂糖は多くないから大丈夫と思うかもしれません。
しかし日本人の一人あたりの平均砂糖消費量は、1日56.7g。WHO推奨する1日25gの2倍以上を消費しているという結果となっています。
最も多いアメリカの一人あたりの平均砂糖消費量は、なんと1日126.4g。WHO推奨する1日25gの5倍以上を消費しています。
アメリカの肥満率は年々増加していて、2015~2016年の肥満率は、
成人(20歳以上) 39.6%
未成年(2~19歳) 18.5%
となり、成人の4割が肥満になっています。
最も少ないインドの一人あたりの平均砂糖消費量は、わずか1日5.1g。WHO推奨する1日25gの5分の1の消費です。
インドの肥満率は2.1%です。
国 | 砂糖 |
アメリカ | 126.4g |
ドイツ | 102.9g |
オランダ | 102.5g |
アイルランド | 96.7g |
オーストラリア | 95.6g |
ベルギー | 95g |
イギリス | 93.2g |
メキシコ | 92.5g |
フィンランド | 91.5g |
カナダ | 89.1g |
オーストリア | 88.1g |
スウェーデン | 86.1g |
ノルウェー | 83.1g |
ニュージーランド | 82.9g |
サウジアラビア | 80.7g |
スイス | 76.1g |
デンマーク | 75.1g |
アルゼンチン | 72.7g |
チェコ共和国 | 71.6g |
スペイン | 70.1g |
フランス | 68.5g |
スロバキア | 66.7g |
チリ | 58.6g |
イタリア | 57.6g |
ポーランド | 56.8g |
日本 | 56.7g |
ギリシャ | 56.5g |
ペルー | 55.7g |
香港 | 53.5g |
ポルトガル | 51.8g |
ハンガリー | 50.8g |
ブラジル | 47.6g |
アラブ首長国連邦 | 41.9g |
南アフリカ | 41.5g |
ブルガリア | 39.2g |
コロンビア | 36.4g |
トルコ | 35.4g |
マレーシア | 32.7g |
シンガポール | 32g |
ルーマニア | 31.5g |
韓国 | 30.8g |
ベネズエラ | 29.9g |
タイ | 29.3g |
ベトナム | 27.2g |
フィリピン | 22.4g |
台湾 | 22.3g |
ロシア | 20g |
エジプト | 19.5g |
モロッコ | 18.7g |
ウクライナ | 17.1g |
中国 | 15.7g |
インドネシア | 15.2g |
イスラエル | 14.5g |
インド | 5.1g |
2016年にWHOは、
「清涼飲料水に課税することで、消費を削減でき、肥満を減らし、2型糖尿病を減らし、虫歯も減らせるようになる」
と発表しました。
高すぎる肥満率の対策、社会的負担を軽減するために、各国で「シュガー・タックス(砂糖税)」の導入が始まっています。
過剰な糖分が含まれるソフトドリンク(100mlあたり5グラム以上の砂糖を含んでいる飲料)に対して課税されます。
現在、砂糖税が導入されている国は、イギリス、アイルランド、ノルウェー、ボルトガル、ベルギー、デンマーク、フィンランド、アメリカ、南アフリカ、エストニア、フィリピンなど22カ国に及びます。
イギリスは2017年に砂糖税を導入しました。
対象となるのは、100mlあたり5グラム以上の糖類(スクロース、グルコース、フラクトース、ラクトース、ガラクトース)を含む飲料です。
砂糖が入っていないフルーツジュースなどは課税対象外となっています。
課税額は、糖類の含有量が100mlあたり5グラム以上、8グラム未満の飲料には、1リットル当たり18ペンス(約26円)、8グラム以上の飲料には、1リットル当たり24ペンス(約35円)が課税されます。
砂糖税を税導入前後に、100mlあたりの糖分を5グラム以下に減らす飲料会社が続出しました。
英国政府機関の公衆衛生サービス(PHE)によると、英国の一部の地域では、小学校卒業時に肥満または太り過ぎと診断される生徒の割合が50%を超えているというのです。
BBCが英国保健当局の話として伝えたところでは、英国の子どもたちは、1年間にバスタブ1杯にもなる砂糖を消費しており、肥満問題を加速させているといいます。
果汁100%のフルーツジュースと聞くと体に良さそうなイメージがあるかもしれません。
しかし実はそうでもありません。フルーツジュースに使用するようなフルーツは、 大半が品種改良されて糖度を高くされたものです。
フルーツに含まれる果糖は、砂糖を超えるほどの糖度である場合も多く、フルーツの食べ過ぎで糖尿病になったというケースも珍しくありません。
また、フルーツジュースには甘さの調整のために、 アスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料を添加することもあります。
この人工甘味料は砂糖の数百倍という甘みを持ち、 砂糖と同じくらい糖尿病の発症を高めるという研究データもあります。