オリーブオイルで揚げた食べ物を食べるのは、健康に悪いですか?
オリーブオイルを加熱すると、加熱過程でアルデヒドと呼ばれる有害な化学物質が生成されるため、食品を揚げるために植物油を使用するのは健康に悪いかもしれないことが示唆されました。
アルデヒドは、糖尿病や心臓病を含む病気の原因になると考えられています。
果糖(フルクトース)やアルコールの代謝の副産物としても、アルデヒドは体内で少量形成されています。
以前の研究では、オリーブオイルを癌や糖尿病と関連づけることさえありました。
しかし、試験した結果、オリーブオイルを発煙点より高い温度で調理しなければ、オリーブオイルのアルデヒド含有量は、他の植物油と比較してかなり軽減することができることがわかりました。
植物油で生成される有害な化学物質の量を調査
カーディフ首都大学の生物医学科学担当上級講師、レイチェル・アダムス氏が植物油の調査をしました。
の3種類の植物油にて、190℃に加熱した後のアルデヒド含有量を分析しました。
多価不飽和脂肪酸のヒマワリ油と亜麻仁油を加熱すると、大量のアルデヒドを迅速に生成しました。
一価不飽和脂肪酸のオリーブオイルを加熱すると、アルデヒドがより少なくなり、加熱プロセスのずっと後になることがわかりました。
この実験は、揚げ物をしようとしているなら、オリーブオイルを選ぶことが、より良い選択肢の一つであることを示唆しています。
オイルの品質と加熱する温度が重要
熱はすべての油に化学変化を引き起こし、芳香、風味および栄養分を変えます。
発煙点より上に加熱した場合は、オリーブオイルも他の油と同様に、有害な化学物質が生成されます。
オリーブオイルの発煙点
オリーブオイルの品質が高くなるとともに、発煙点も高くなる傾向があります。
オリーブオイルの品質が上がるとともに、遊離脂肪酸含有量が減少する傾向があり、抗酸化剤含有量が増加します。
オリーブオイルの豊富な抗酸化成分は、調理中に生産される有害な化学物質の量を減らすことさえできます。
高品質エキストラバージンオリーブオイルの発煙点は、210℃と言われています。
国際オリーブオイル理事会(IOOC)は次のように言っています。
「加熱して使うには、オリーブオイルは一番安定した油であり、高温で炒める調理に耐えられることを意味します。
その高い発煙点(410ºFまたは210℃)は、食べ物(356ºFまたは180℃)を揚げるための理想的な温度をカバーしています。
揚げるために何度も使用される場合であっても、加熱がオリーブオイルの消化性に影響しません。」
オリーブオイルで美味しく揚げる
オリーブオイルで調理するときは、高品質のオイルを使用しましょう。
ただし高品質エキストラバージンオリーブオイルは、他の植物油と比較して、コストがかかってくると思います。
そこで揚げ物をするときは、フライパンに浅めに油を張って揚げるフライパン調理が最適です。カラッと軽く仕上がります。
オリーブオイルは、素材の表面に止まり、中へあまり浸透しません。
素材にすばやく熱を通すので、油っぽくならずに素材の持ち味も活かされます。
余分な油質の摂取を避けることにもつながります。
オリーブオイルを発煙点以下に保つ、煙がでるほど高温にしないことが大切です。
180℃程度で揚げることで、潜在的な害を軽減できます。
何回か使ったオリーブオイルでは170℃度。すぐに煙が出るようになったら交換しましょう。
発煙点を超えず、加熱時間が極端に長くならないようにすれば、アルデヒドをより少なくできます。
それはまた食べ物の味を良くするでしょう。