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ダイエットになるフルーツと野菜の種類

Q. フルーツは、果糖が豊富で、カロリーが高いから食べると太りますか?

A. 痩せる可能性が高いです。

Q. どんな野菜でも、食べればダイエットになりますか?

A. 野菜の種類によってダイエット効果は差があり、逆に食べることで太ってしまう野菜もあります。

フルーツと野菜による体重の変化を調査

最大24年にわたり、男女13万以上のアメリカ人を対象に、特定のフルーツと野菜を食べたときの体重の変化を調査しました。

果物(フルーツ)が-0.24kg、野菜が-0.11kg

分析した結果、果物(フルーツ)と野菜は、共にダイエット効果があり、果物(フルーツ)の方が野菜よりもダイエット効果は高くなりました。

すべての種類の果物(フルーツ)では、食べる量が増えると、4年間で0.24kgの体重が減りました。

すべての種類の野菜では、食べる量が増えると、4年間で0.11kgの体重が減りました。

しかし、いくつかの野菜については、食べる量が増えると体重が増えました。

※今回の調査では、イモとトウモロコシ(コーン)を野菜と定義しています。

イモとトウモロコシ(コーン)を除くと、野菜のダイエット効果の数値は変わってきます。

では、どんな果物(フルーツ)や野菜がダイエットに効果的なのか?

ダイエット効果が最も高いのは大豆

特定の果物や野菜の食べる量を増やしたときに、体重がどう変化するのかを調べました。

調べた中で、ダイエット効果のある、最も体重が減少した食品が「豆腐・大豆」でした。

カロリーが高かったり、果糖の量が多かったり、脂肪分の割合が多いフルーツや野菜は、食べたら太ると考えられます。

しかし、今回の調査で長期間(4年間)食べた場合による体重の変化を調べましたが、全く違った結果となりました。

ダイエット効果が高い野菜・豆

今回の調査した項目の中で「豆腐・大豆」が、飛び抜けてダイエット効果がありました。

  • 豆腐・大豆
  • カリフラワー
  • ズッキーニ
  • サヤインゲン
  • コショウ
  • ブロッコリー

日本人の肥満率は世界の標準から比べると非常に低いのですが、頻繁に大豆を食べる食生活が関係しているかもしれません。

ダイエット効果が高いフルーツ・果物

フルーツでダイエット効果が最も高いのは、ブルーベリーでした。

  • ブルーベリー
  • プルーン
  • リンゴ
  • イチゴ
  • ブドウ

太る可能性が高い野菜・豆

反対に食べることで最も体重が増えたのは、トウモロコシでした。

  • トウモロコシ(コーン)
  • エンドウ豆(グリーンピース)
  • ジャガイモ・サツマイモ

果物・野菜別のダイエット効果

ダイエットになる果物・ならない果物

果物(フルーツ)全体では、4年間で-0.24kg体重が変化しましたが、果物によって-0.63kg~0kgまで変動は大きく差が出ました。

果物摂取量の増加による体重変化
果物の種類 体重変化
(kg)
ブルーベリー -0.63
プルーン -0.58
りんご&なし -0.56
いちご -0.39
レーズン&ぶどう -0.32
アボカド -0.21
グレープフルーツ -0.21
メロン -0.13
バナナ -0.10
オレンジ -0.07
桃・プラム・アプリコット 0.00

日本でよく食べられている果物ですと、リンゴはダイエット効果が高く(-0.56kg)、オレンジのダイエット効果が低い(-0.07kg)という結果となりました。

バナナダイエットが一時期はやりましたが、バナナ(-0.10kg)よりも、ブルーベリー(-0.63kg)やプルーン(-0.58kg)、リンゴ(-0.56kg)によるダイエットの方が、ダイエット効果が高くなりそうです。

ダイエットになる野菜・ならない野菜

野菜全体では、4年間で-0.11kg体重が変化しましたが、野菜により-1.12kg~0.93kgまで幅広く変動して、摂取により体重が増える野菜もありました。

野菜摂取量の増加による体重変化
野菜の種類 体重変化
(kg)
豆腐・大豆 -1.12
カリフラワー -0.62
ズッキーニ
(ペポかぽちゃ)
-0.46
サヤインゲン -0.44
コショウ -0.34
ブロッコリー -0.34
芽キャベツ -0.29
緑の葉野菜
(ケール、レタス、
ほうれん草)
-0.24
ニンジン -0.19
ソラ豆 -0.18
セロリ -0.15
ミックス野菜 -0.13
トマト -0.03
セイヨウカボチャ 0.09
玉ねぎ 0.14
キャベツ
コールスロー
0.18
イモ* 0.34
エンドウ豆
(グリーンピース)
0.51
トウモロコシ
(コーン)
0.93

*ゆでた・焼いた・マッシュポテトにしたジャガイモ・山芋・さつまいも

今回の調査では野菜に定義した、日本でおなじみの豆腐や味噌など大豆食品が、-1.12kg体重が変化して、今回の調査した中で最もダイエット効果が高い食品となりました。

カリフラワー(-0.62kg)、ブロッコリー(-0.34kg)もダイエット効果が高くなっています。

一方で、トウモロコシ(コーン)は、+0.93kg体重が変化となり、食べるほど太るという結果となりました。

意外にも、エンドウ豆(グリーンピース)は+0.93kg、キャベツは+0.18kg、玉ねぎは+0.14kgと同様に体重が増えました。

ゆでた・焼いた・マッシュポテトにしたジャガイモ・山芋・サツマイモは+0.34kgでした。

以前の調査では、対象の被験者などが一部変わりますが、ジャガイモ+0.58kg、フライドポテト+1.52kg、ポテトチップス+0.77kg、ゆでる・焼く・マッシュポテト+0.26kgとなっています。

体重を減らすには、トウモロコシ、芋、エンドウ豆(グリーンピース)は控えるようにしましょう。

果物と野菜の摂取量の変化による体重変動を研究

現在の食事ガイドラインでは、さまざまな果物や野菜を食べることを、すすめられています。

特定の果物および野菜は、健康的な体型まで体重を減らしたり、維持をするのに役立ちます。

しかし、果物や野菜はそれぞれ、食後の満腹感や、血糖およびインスリン反応、総カロリー摂取量、エネルギー消費が異なります。

また、ポリフェノールのような抗酸化作用のある生物活性成分を含みます。

繊維摂取量が多いと満腹感が増し、食べる量が減る可能性があります。

低GL食品は、血糖値を上昇を穏やかにして、その後の空腹感を減らし、食べる量が減る可能性があります。

より「繊維含有量が高く、グリセミック負荷(GL)が低い」果物や野菜ほど、摂取することで健康的な体重になれるのか。

ハーバード大学TH Chan公衆衛生大学院が調査しました。

血糖値を上昇させる指標:GLとGI

グリセミック負荷(GL):
炭水化物の重量をかけた値で、血糖値を上昇させる程度をあらわす指標。

基本的に炭水化物の量が少ない食品はグリセミック負荷が低くなります。精製された穀物やジャガイモ、トウモロコシはグリセミック負荷が高いです。

グリセミック指数(GI):
食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値。

対象:

アメリカ人の男女133,468人

  • 看護師健康調査(NHS)の女性40,415人
    (平均年齢:48.7歳)
    (追跡期間:1986~)
  • 看護師健康調査II(NHS II)の女性73,737人
    (平均年齢:36.4歳)
    (追跡期間:1991~)
  • 医療従事者追跡調査(HPFS)の男性19,316人
    (平均年齢:47.0歳)
    (追跡期間:1986~)

分析:

3つの独立した調査データより、4年間隔で、特定の果物と野菜の摂取量の変化と体重の変化との関連を調べました。

1986年から2010年まで、これらの関連性は、食事、喫煙状況、身体活動の他の側面を含む他のライフスタイル要因の同時変化を調整しながら調べられました。

調査結果:

果物(フルーツ)、野菜ともに総摂取量が増えると、4年間で体重は減少しました。

果物(フルーツ)は0.24kg、野菜は0.11kgの体重が減りました。

果物(フルーツ)

果物(フルーツ)では、ブルーベリー、プルーン、リンゴの摂取量の増加で、体重が減りました。

オレンジ、バナナは減少が少なく、桃・プラム・アプリコットでは、体重がほとんど変わりませんでした。

野菜

アブラナ科の野菜(ブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワー)と緑の葉野菜(ケール、レタス、ほうれん草)が、体重の減少が大きくなりました。

でんぷん質のエンドウ豆、ジャガイモ、トウモロコシなどの野菜は、摂取量が多くなると体重が増えました。

これらの野菜は、カリウム・ビタミンC・ビタミンB6・鉄・繊維・タンパク質の栄養価はありますが、高いGLとなります。

果物・野菜の種類により体重の変動は大きく変わる

果物やでんぷん質のない野菜の摂取量の増加は、体重の変化と反比例の関係にありました。

種類による重要な違いは、これらの食品の他の特性が、体重の変化との関連の大きさに影響することを示唆しています。

参考:繊維とGLが高い果実・野菜、低い果物・野菜

低繊維、高GL果物:
メロン、レーズン、ブドウ

低繊維、低GL果物:
イチゴ、モモ、プラム、アプリコット、グレープフルーツ

高繊維、高GL果物:
プルーン、リンゴ、ナシ、バナナ

高繊維、低GL果物:
アボカド、ブルーベリー、オレンジ

低繊維、高GL野菜:
ニンジン、キャベツ、コールスロー、ザワークラウト

低繊維、低GL野菜:
カリフラワー、葉野菜、セイヨウカボチャ、トマト、ピーマン、セロリ、玉ねぎ

高繊維、高GL野菜:
インゲン豆、レンズ豆、豆腐・大豆、エンドウ豆、ライマメ(リマ豆)、ミックス野菜、ズッキーニ(ペポかぽちゃ)、ジャガイモ、トウモロコシ

高繊維、低GL野菜:
芽キャベツ、ブロッコリー、いんげん豆

調査結果について

今回の結果について、すべての人に同様のダイエット効果があるかどうかは判断できません。

マウスの実験ではなく、最大24年にわたる男女13万人以上の大規模なデータですので、再現性は高くなります。

ただし、被験者はほとんどすべて、アメリカに住む高学歴の白人で、医療従事者のみで構成されています。

看護師の女性が約11万人と、医療従事者の男性が約2万人でした。

さらに、食事調査票と自己申告による体重測定の使用により、この研究に測定誤差が生じた可能性があります。

研究チームは、体重に影響を与える可能性があるいくつかの重要なライフスタイル要因を、被験者に説明しました。

果物と野菜の摂取量を増やして、体重を減らした被験者には、実際に体重減少の原因となった他の要因も持ち合わせています。

しかしながら、全体として、今回の調査結果は、肥満の予防のための指針とすることができます。

肥満は多くの命を短くする、健康を害する危険因子です。

Changes in Intake of Fruits and Vegetables and Weight Change in United States Men and Women Followed for Up to 24 Years: Analysis from Three Prospective Cohort Studies.

Monica L. Bertoia, Kenneth J. Mukamal, Leah E. Cahill, Tao Hou, David S. Ludwig, Dariush Mozaffarian, Walter C. Willett, Frank B. Hu, Eric B. Rimm

September 22, 2015

9章 ダイエット