「1日にリンゴ1個で医者いらず」と言われますが、このことわざは、ウェールズ由来の英語のことわざが由来となっています。
1日1個のリンゴは医者を遠ざける
(An apple a day keeps the doctor away)
リンゴ(あるいは果物や野菜一般)を食べることが健康によい効果をもたらす、という民衆の知恵を示したものです。
リンゴを始めとして、フルーツを幅広く食べることは、栄養やビタミンを摂るのに大切です。
クッキー、ケーキ、アイスクリームなど砂糖を加えたものを食べる代わりにフルーツを食べることは、甘いものが食べたい欲求を満たすためのより健康的な方法です。
フルーツを食べると体重が低下する、フルーツにダイエット効果があるということも、大規模な調査で研究結果がでています。
フルーツの多くは食物繊維をたっぷり含んでいるので、フルーツを食事に加えることで、血糖値の急上昇を防ぐのに役立ちます。
フルーツを食べることで、肥満や糖尿病を予防できる可能性があります。
それぞれのフルーツにある体に良い健康効果を知り、あなたの健康に役立ててください。
リンゴ
リンゴと洋ナシを食べることが、脳梗塞の予防になる可能性があります。
2011年のオランダの研究では、リンゴを食べることで、血栓性の脳卒中のリスクの減少することを示唆しています。
10年間にわたって成人2万人(平均年齢41歳)の毎日食べた食物に関する詳細な記録データを分析しました。
白い果肉を含む大量の果物と野菜、特にリンゴと洋ナシを食べた参加者は、摂取量が少ない人と比較して、脳卒中を発症するリスクが52%減少しました。
また白い果物(リンゴ、洋ナシ、バナナ)や白い野菜(カリフラワー、チコリ、キュウリ)を食べる量が25g増えるごとに、脳卒中のリスクは9%低下しました。
リンゴには、ポリフェノールの「クェルセチン」が多く含まれています。
クェルセチンには、抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、強い血管弛緩作用が報告されています。
リンゴと洋ナシに含まれるクェルセチンが、血栓を減らすことで、脳卒中のリスクを減少させていると考えられます。
リンゴ由来のポリフェノールの約60%を占める主成分「プロシアニジン」は、抗酸化作用をはじめ、健康的な糖分・脂質の代謝促進などの働きがあると研究で報告されています。
リンゴの皮は、食物繊維と抗酸化物質が豊富ですので、皮を含む丸ごとリンゴを食べると、より良いです。
洋ナシ
リンゴの健康効果は有名ですが、栄養素の見地からすると、洋ナシはより良いと言うことができます。
約180gの重さの中サイズの洋ナシを食べると、同じサイズのリンゴよりも約30パーセント多くの食物繊維が得られます。
洋ナシの食物繊維の多くは水溶性です。血糖値の急上昇を防ぎ、肥満や糖尿病を予防するのに役立ちます。
皮も一緒に食べましょう。果物の皮をむいて食べると、食物繊維の約半分を失います。
アプリコット
アプリコットには、ビタミンCが多く含まれ、抗酸化物質として作用するファイトケミカル(ベータカロチンなど)の良い摂取源です。
抗酸化物質は、フリーラジカル(活性酸素)によって引き起こされる損傷から、健康な細胞を保護することによって、慢性疾患を防ぐ役割を果たし、癌のような病気を予防できる可能性があります。
ベータカロチンは、アプリコットを豊かな黄橙色にして、体内ではビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、視力、肌の健全性、感染に対する免疫、遺伝子制御、神経発達に重要な役割を果たしています。
バナナ
黄色がかったバナナは、カリウムを多く含んでいます。
カリウムは、筋肉の収縮を助けるミネラルで、体の細胞の内外での体液とミネラルのバランスを調整するのを助けます。
バナナを食べることは、正常な血圧を維持するのを助けることができます。
バナナにはペクチンという一種の食物繊維が含まれていて、これが血糖コントロールと消化器系の健康を改善する可能性があります。
果物は消化に良いだけでなく、体重を管理するのを助けることができます。
おやつとして食べたり、トレーニング前後のエネルギー補給にバナナを活用できます。
ブルーベリー
ブルーベリーは、特に癌予防のための栄養が豊富です。
炎症促進性分子が体内で生成するのを防ぐことが証明されています。
ブルーベリーを摂取することで、酸化ストレスも軽減され、癌細胞の増殖を防ぐことで、DNAを損傷から守るのに役立ちます。
これらはブルーベリーに抗酸化物質アントシアニンを多く含んでいるからです。
ブルーベリーには抗癌性の抗酸化物質が豊富なだけでなく、1杯あたり4グラムの食物繊維を含んでいます。
高食物繊維食は、結腸直腸癌の発生率の低下と関連しています。
ブラックベリー
黒っぽい色をしたベリーのブラックベリーは、ポリフェノールとビタミンC、ビタミンK、葉酸、マンガン、フラボノイドと食物繊維が豊富です。
ブラックベリーはまた健康的な肌を促進します。癌に対する保護効果もよく知られていてます。
さくらんぼ(アメリカンチェリー)
アメリカンチェリーは、カロリーが比較的低く、食物繊維、ビタミンC、カロテノイド、カリウムなどの重要な栄養素がかなり多く含まれています。
研究では、アメリカンチェリーを食べることが、炎症を減らすのを助けることができると示唆しています。
トレーニング後の筋肉の回復を助け、関節炎の症状を防ぐのを助けながら、心臓の健康を高めることができます。
そして、果物の一種であるビングスイートチェリーは、関節痛を和らげ、心血管疾患やガンのリスクを減らすかもしれない抗炎症作用を含んでいる、という証拠があります。
オレンジ
研究によると、オレンジを定期的に食べる人は、柑橘系フルーツを食べない人よりも、黄斑変性を起こす可能性がはるかに低いということがわかりました。
黄斑変性は、50歳以上の人にとって失明の主な原因です。
研究者らは、50歳以上のオーストラリアの成人2,000人以上を15年間でインタビューしました。
2018年7月にアメリカ臨床栄養学会誌(American Journal of Clinical Nutrition)に発表された研究によると、少なくとも1日1回オレンジを摂取した研究参加者は、晩期黄斑変性症を発症するリスクを60%以上も減少しました。
国立眼病研究所によると、オレンジやほとんどの果物に含まれるフラボノイド(植物化学物質)が、オレンジを食べる人の黄斑変性を保護するのに役立ったことを、この調査の結果は示唆しています。
プラム
目を引きつける紫がかった色をしたプラムは、最も健康的な夏の果物の1つです。
プラムは抗炎症性を持っている抗酸化物質の一種であるポリフェノールを多く含んでいます。
プラムはまた食物繊維が多く含まれているため、コレステロールの低下や、腸の規則性を促進し、満腹感が増して、体重を減らしたり、体重を維持しようとしている場合に役立ちます。
プラムには少量のビタミンK、マグネシウム、カリウムも含まれています。
アボカド
アボカドは野菜ですか?果物ですか?
緑色で甘味がないため、アボカドを野菜と誤解している人もいるかと思います。
果物とは、木に実る果実のことを指し、アボカドは常緑高木で、その果実を食べるため、果物に分類されます。
クリーミーな食感で、アボカドは食べるのが美味しいだけでなく、多くの健康上の利点があります。
たとえば、アボカドは、カリウムの推奨される食事摂取量の4%を含みます。
カリウムは、心筋が本来の力を発揮するのを助け、血圧を調節し、筋肉の収縮を促進します。
また、カリウムは体の細胞の維持を助け、心臓病、脳卒中、腎不全のリスクを軽減します。
アボカドには脂肪が多いのですが、健康的な不飽和脂肪が含まれているので、体に悪くはありません。
クリーミーな質感ですが、アボカドは豊富な食物繊維が摂れます。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスは完璧な量で、100gのサービングで7gの食物繊維を含みます。推奨される1日の食物繊維の摂取量の27%です。
アボカドは腸にとって良い腸内細菌を高めて、満腹に感じられるようにします。
健康的な体重を維持して、肥満にならないようにする助けとなります。
レモン
レモンは、ビタミンCが豊富で、免疫機能に良いだけでなく、腸の健康、心臓の健康、体重管理などにも役立ちます。
レモンの皮を食べ物に加えることによって、心臓を助け、水溶性食物繊維のペクチンを体に保ち、コレステロールを体から取り除きます。
レモンは痛みを伴う腎臓結石を防ぐのにも役立ちます。尿量と尿のpHを上げることで、腎臓結石の形成を防ぐ最適な環境を作るのに役立ちます。
レモンは貧血の予防にも役立ちます。レモンには体が血球を生成するために使用する鉄がほとんど含まれてませんが、レモンは鉄が腸で吸収されるのを助けます。
少量のレモン汁を料理にかけると、鉄の吸収をサポートして、血液を増やす助けとなります。
桃
甘くてジューシーな桃は、夏に人気のフルーツで、栄養も豊富です。
桃にはビタミンCが含まれていて、フリーラジカル(活性酸素)と戦うのを助け、体の防御機能を高めます。
桃は、体の抗炎症反応を促進する生理活性フェノール化合物を持っています。
高食物繊維食は、高コレステロール食の一環として、LDLコレステロール(悪玉コレステロールとして知られている)を下げ、心血管疾患を予防するのに役立ちます。
柿
柿はビタミンAを大量に含んでいます。
また柿1個には、毎日の推奨された食物繊維摂取量の約20%にあたる、約6gの食物繊維が含まれています。
スイカ
スイカは、植物性栄養素と抗酸化物質のリコピンを摂取することができます。
研究では、高血圧、心血管疾患、がんなどの慢性疾患からの保護に役立つ可能性があると示唆しています。
またスイカを食べることは、健康な血圧レベルを支える助けとなることが、いくつかの研究で報告されています。
2014年にアメリカ高血圧学会誌(American Journal of Hypertension)に発表された研究では、スイカを食べることで、体が寒い環境に適応するときに起こる高い血圧から保護することを示唆しています。