最近、よく目が乾く、目が疲れやすい、、
もしかすると、それはドライアイかも知れません。
携帯電話の画面やテレビ、パソコンなどを見続ける生活により、知らず知らずのうちに目を酷使していませんか?
涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の成分が変化することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。
ドライアイが進行すると、視力低下や痛み、角膜上皮剥離(角膜が乾燥してはがれる病気)を発症してしまうこともあります。
現在、日本では約2,200万人もの人がドライアイといわれています。
さらにオフィスワーカーの3人に1人がドライアイという報告もあり、年々増加傾向にあります。
ドライアイは目の病気と思っているかもしれませんが、運動を続けるなど生活習慣を改善することで、ドライアイの症状が軽減することがわかりました。
運動でドライアイが改善
ドライアイを自覚する会社員が、筋肉トレーニング(筋トレ)を続けるなど生活習慣の改善で、症状が軽減しました。
慶應義塾大学 眼科学教室の研究グループが調査しました。
対象:ドライアイを自覚する11人(31~64 歳)の会社員
参加者のドライアイの重症度や、日常生活に与える影響などを「ドライアイQOL 質問票(DEQS)」を用いて調べました。
参加者は、週に3日、10週間、自宅でスクワットや腹筋などの運動プログラム(筋トレ)を実施しました。
終了後に、再度DEQSを用いて、ドライアイの症状を調べました。
結果、10週間の運動プログラムによって、ドライアイ症状が有意に改善していました。
ドライアイQOL 質問票(DEQS)
DEQSは、15項目のドライアイの症状や、日常生活への影響に関する質問により、総合的な障害度を算出します。
質問例
- 目がゴロする(異物感)
- 目が乾く
- 目が痛い
- 目が疲れる
- まぶたが重い
- 目が赤くなる
- 目を開けているのがつらい
- 目を使っていると物がかすんで見える
- 光をまぶしく感じる
- 新聞、 雑誌本などを読んでいる時、目の症状が悪くなる
- テレビを見ている時、パソコン・ケータイを使っている時に目の症状が悪くなる
- 目の症状ため、集中力が低下する
- 目の症状ため、仕事・家勉強に差し障りがある
- 目の症状ため、外出を控えがち
- 目の症状ため、気分が晴れない
生活習慣でドライアイが改善
2ヵ月の生活習慣を変えることで、ドライアイの症状が改善しました。
ライフスタイルを変える効果
生活習慣全般とドライアイとの関連を調べるために、慶應義塾大学 眼科学教室の研究グループが調査しました。
対象:
- パソコン作業を1日4時間以上行っている
- 運動習慣がない
- 特に食事に気をつけていない
- ドライアイ(確定あるいは疑いあり)
上記に該当する日本人41人(男性22人、女性19人、平均39.2歳)を、介入群22人、対照群19人の2グループに無作為に分けました。
介入群「生活習慣を改善したグループ」は、運動と食事の指導をして、よかったできごとの書き出しを指示しました。
もう一方の対照群は普段通りの生活を続けました。
生活習慣を改善したグループへの指示内容
運動(身体活動の増加)
- 4分間のスクワット
- 20分間の歩行
- 10分間の軽いジョギング
などの運動を毎日1種類おこないます。
食事(食事療法の修正)
- 血糖値の急上昇を防ぐ低GI(グライセミック・インデックス)の炭水化物
- 魚
- 野菜
をバランスよくとるように薦めました。
前向きな思考の促進
- ごきげん度を上げる効果が期待できる「よかったできごとの書き出し」をする
結果、合計36人の参加者(介入群17人、対照群19人)が試験を完了しました。
2カ月後、生活習慣を改善したグループのドライアイの確定診断数は4からなしに減少し、DEQS(ドライアイ症状)スコアが改善しました。