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腸のカビが生える!カンジダ

アトピー性皮膚炎をはじめ、じんましん、喘息などアレルギー疾患と関係していると考えられているリーキーガット症候群

他にも、肥満、糖尿病、疲労感、下痢・便秘、クローン病、精神疾患などの症状や病気が、リーキーガット症候群になると引き起こされることがあります。

この原因の一つとされているのが、真菌(カビ)のカンジダ菌の増殖です。

カンジダは、正常な場合でも皮膚、口腔、腸管、腟など存在しています。

通常は、カンジダがこのような部位で症状を引き起こすことはありません。

しかし、何かしらの原因で他の菌のバランスを崩れた場合、異常に増殖して、日和見感染「カンジダ症」を起こすことがあります。

体内でカビが増殖する

カンジダ症の原因となるのは、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)という真菌です。

ヒトの皮膚や消化管には様々な常在菌が生息しています。

カンジダ菌も赤ちゃんの頃、お母さんから分娩時や哺乳時に菌をもらうことで、体に入り込み、常在菌として生き続けます。

通常カンジダ菌は、元気な若者に対しては、健康上の被害をほとんど与えません。

時として、カンジダ菌は口や食道、腸内で増えて、ヒトの免疫系を刺激して、細胞性免疫を強めます。

※細胞性免疫は、体内の異物を排除するために攻撃する局所的に起こる免疫反応です。

カンジダ菌は体の免疫力を高める役割をします。

腸内には、善玉菌や悪玉菌など、多くの細菌が存在し、カンジダ菌など真菌が腸内で占める割合は、通常は全体の1%程度です。

しかし、免疫を中心とした防御力が弱くなり、カンジダ菌への抵抗力が軟まることで、力のバランスが狂いだし、カンジダ菌が増殖します。

真菌はカビなので、体内でカビが生えるような状態です。

体はカンジダ菌に対する免疫応答で、炎症をおこします。

腸カンジダ症になると症状

カンジダ菌が増殖することで、様々なトラブルを引き起こします。

  • 腸の炎症を引き起こす
  • 様々な有害物質を発生させる
  • 低血糖を引き起こす
  • 免疫トラブルを起こす
  • 不眠や自律神経の乱れなど、体の悪循環を引き起こす

症状は多岐にわたります。

  • 消化器症状:
    • 便秘や下痢
    • 食欲不振
    • 消化障害
    • 栄養障害など
  • 全身症状:
    • 頭痛
    • 疲れ(疲労感)
    • 筋肉痛
    • 低血糖
    • 皮膚発疹
    • アレルギー反応など
  • 精神症状:
    • うつ
    • 集中力の低下
    • 情緒不安定
    • 砂糖に対する渇望
    • 記憶障害
    • 睡眠障害など

現代生活とカンジダ菌

カンジダ菌は様々なトラブルや症状を引き起こすにも関わらず、第二次世界大戦までは、ほとんど病原菌として認められていませんでした。

人々の暮らしぶりが変化したことにより、健康トラブルを引き起こし、人との関係に問題を起こすようになりました。

食生活

食生活が豊かになり、糖分の摂取量が多くなりました。

白米や小麦粉を使った麺類、パンなど精製された糖質の摂取が増え、お菓子やスイーツなど甘いものを日常的に食べる人が増えました。

甘い砂糖だけでなく、口の中で素早く消化されブドウ糖などを作るデンプンやグリコーゲンも糖分としてカンジダ菌を増殖させます。

医療・環境

現代医療で用いる抗生物質や、その他の薬の使用によってもカンジダ菌は増えていきます。

殺菌・抗菌と清潔すぎる環境は、菌に対しての体の抵抗力が弱くなります。

カンジダがおこすリーキーガット症候群

リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)は、腸の粘膜に穴が空き 、異物(菌・ウイルス・たんぱく質など)が血管内に漏れだす状態です。

英語でリーキー(leaky)は「漏れる」、ガット(Gut)は「腸」という意味で、症候群(syndrome)の3つの単語の頭文字を取ってLGSと略されることもあります。

カンジダ菌の形態変化

カンジダ菌は「酵母」と「菌糸」という2つの形態をとります。

酵母とは、1個1個が独立した卵型をしています。

カンジダ菌は栄養状態が良いと酵母の形をして、次々に増殖して殖えます。

ヒトの身体の中でカンジダ菌が増えすぎると、菌糸を出して菌糸形になります。

菌糸で腸に根を張る

菌糸形になったカンジダ菌は、その先端を組織に侵入させ病変を起こすことがあります。

カンジダ菌は腸内で菌糸形になると、指に棘が刺さった時のように、腸粘膜に菌糸を刺します。

菌糸を粘膜に侵入させると、粘膜の正常細胞を貫通して、組織の奥まで糸状に伸ばして侵入します。

さらに根を張るように腸粘膜で菌糸を広げます。

カンジダ菌 vs 白血球

粘膜への菌糸の侵入に生体側は反応して、白血球を集め阻止しようと対抗します。

この白血球と菌との戦いを起こさせるのがカンジダ菌の特徴です。

この戦いが免疫反応を引き起こし、炎症が起こります。

菌糸形に増殖したカンジダ菌は、たんぱく分解酵素を分泌することで、さらに炎症が起こります。

カンジダ菌が強く免疫に影響を与える主な原因です。

腸壁にすき間をつくる

小腸の表面の粘膜には、高さ0.5~1.2mm程度の腸絨毛という小さな突起があります。

さらに腸絨毛表面にあるワイングラス型の杯細胞は、長さ1μm、太さ0.1μmの細やかな突起、細胞1個あたり約600本の微絨毛で覆われています。

ここから消化されて細かい分子になった栄養素が体内に吸収されます。

小腸は、消化できていない大きな分子は吸収しません。

しかし、菌糸形になったカンジダ菌が、腸粘膜に菌糸を刺し、根を張るように腸粘膜で菌糸を広げます。

これにより腸粘膜の上にある上皮細胞と上皮細胞のすき間を結合している部分「タイト・ジャンクション」が開いてしまいます。

そうすると通常は吸収しない、未消化のタンパク質や細菌・ウイルス・重金属・化学物質などの異物までも取り込まれてしまいます。

これがリーキーガット症候群の原因となります。

アレルギー反応(炎症)が起きる

腸粘膜の細胞と細胞のすき間を結合部分タイト・ジャンクションから血管内に漏れだした大きな分子は、血管を通り身体のいたるところに運ばれます。

本来、血液中には存在しない分子なので、防御のためにアレルギー反応(炎症)が起きてしまうのです。

また細菌やウイルスなどを取り込んでしまい、感染症を起こしやすくなったり、免疫力低下の原因になります。

異物や細菌の処理のために、肝臓や腎臓に過剰な負担がかかります。

寿命を短くさせる慢性炎症になる

カンジダの過剰増殖によって、腸管から異物が侵入すると、カンジダ菌や腸管内容物が抗原となり、液性免疫を引き起こします。

※液性免疫は、体液性免疫とも呼ばれ、B細胞が大量の抗体を産生し、抗体が体液中を循環して全身に広がる免疫反応です。

体内の細胞や組織で、免疫細胞が抗原と共に、自分自身の細胞・組織を過剰に攻撃してしまうアレルギー反応や自己免疫疾患がおこります。

皮膚反応も液性免疫で起こるものと推定されています。

液性免疫は、体内で慢性炎症を起こす原因となります。

近年の長寿研究では、慢性的な炎症の持続は寿命を短くさせることが示唆されています。

カンジダ菌感染による慢性炎症は、寿命にも関係すると言っても過言ではないかもしれません。

増殖の足場となるバイオフィルム形成

菌糸形になったカンジダ菌は、バイオフィルムを形成します。

バイオフィルムとは、洗い場の隅のヌメリなどのように、細菌や真菌などの微生物が、不特定の場所に接着する環境です。

バイオフィルムは、フィルムと言葉から表面を覆っている膜のようなものとイメージされがちですが、微生物とその他のものが混じり合ったもの全体のことです。

カンジダ菌のバイオフィルムは、べっとりとした白い塊が腸粘膜にへばりついているようです。

バイオフィルムによって流されずに、留まり続けることができます。

一旦、バイオフィルムが形成されると、自由に浮游している菌と違い、バイオフィルム中の菌には抗菌薬が効果的に作用しないので、カンジダ菌の除去が難しくなります。

感染症を治すためにはバイオフィルムを除去する必要が生じます。

バイオフィルムが体内で自然に分解されることはありません。

黒カビが発生するのに似てる

黒カビは、浴室の天井や壁、床、タイル目地などに発生し、放置するとどんどん広がります。

もともとは土壌に潜むカビですが、空気中を漂っていて、餌となる栄養源や水気があると繁殖します。

カンジダ菌は酵母の形で腸内に存在しますが、他の菌と比べると1/100から1/1000と腸内での数が通常は少ないのです。

カンジダ菌のエサが多いと、次々に増殖します。

菌糸の形に形態変化して、菌糸で腸粘膜に根を張り、腸壁に付着します。

次々と増殖と付着をすることで、カンジダ菌が生殖しやすいバイオフィルムを形成します。

カンジダ菌により免疫反応を引き起こし、体の抵抗力が落ちていきます。

カンジダ菌が増えて、腸内環境が乱れることで、さらにバイオフィルムを広げていきます。

腸内を荒らす

カンジタ菌が腸内で増殖すると、普段おとなしい日和見菌が、悪玉菌とタッグを組んで腸内を荒らし始めます。

悪玉菌のエサとなる肉などのタンパク質が、腸内で異常発酵し、毒素を出したり、腸の粘膜に傷をつけたりします。

この毒素がガス・便秘のもとです。

カンジダ菌が腸で増殖する原因

腸内環境の菌のバランスが乱れると、カンジダ菌は増殖しやすくなります。

  • 抗生物質を使用している
  • 免疫力が低下している
    • ステロイド薬を使用している
    • ピルを使用している
    • 消炎鎮痛剤を使用している
    • ストレス
    • 寝不足
    • 過労
  • カンジダ菌・悪玉菌が増える食事
    • 甘いものの摂りすぎ
    • 加工食品の食べ過ぎ
    • アルコールの摂りすぎ
  • 糖尿病
  • 重金属
  • グルテン不耐性
  • 便秘
  • 口腔でのカンジダ菌の増殖

抗生物質を使用している

感染症のときによく処方されるのが抗生物質です。

抗生物質は、原因となる細菌だけでなく、腸内の善玉菌など、他の細菌も殺してしまいます。

一方で、カンジダなどの真菌やウイルスを殺すことはできません。

善玉菌など細菌が減ることで、腸内細菌叢のカンジダの割合が高くなり、カンジダが増殖しやすい環境となります。

免疫力が低下している

ストレスによって生じるコルチゾールは、カンジダが好む糖を血液中で増加させます。

ストレス、寝不足、過労、ステロイド剤の内服は、免疫システムを弱め、カンジダへの抵抗力自体を弱めます。

自己免疫疾患の治療薬でステロイドを投与することがありますが、ステロイドによってさらに免疫力が低下してしまい、カンジタ菌を増やしてしまうこともあります。

カンジダ菌・悪玉菌が増える食事

カンジダはジュースや菓子類など甘いものや、白米やパンなど、糖分の多いものをエサにして増えます。

特にブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、ハチミツです。

カンジダが増殖すると、カンジダは糖分をエサにしますから、食べた糖分をカンジダが消費することで、低血糖になります。

食後に頭がはたらかない、ぼーっとする、気分の変調などの症状が出ます。

それを改善しようと、脳は「糖分を食べろ」と指令を出します。

甘いもの(糖分)が非常に欲しくなり、食べることでさらにカンジダが増え、腸の粘膜が破壊されるという、悪循環に陥ります。

過剰なアルコールは友好的なバクテリア(善玉菌)を破壊します。

遺伝子組み換え食品は、腸内で抗生剤と同じような働きをします。

その多くは添加物の多い加工食品や家畜のエサ、大豆やトウモロコシ、じゃがいもなどに使われています。

偏った食事も、腸内環境を乱す原因となります。

糖尿病

血糖値が高い間はカンジダを除去することができないため、糖尿病が最初に対処されなければなりません。

重金属

グルテン不耐性

便秘

便秘はカンジダにとって好ましいアルカリ性の環境を、消化管内に作ります。

さらにカンジダ菌は流れが滞るところにとどまり、増殖する性質がありますので、便が滞ることにより、繁殖しやすくなります。

口腔でのカンジダ菌の増殖

口腔はカンジダ菌の居場所であるだけでなく、そこで増えたカンジダ菌は、食べたものと一緒に消化管に流れ込み食道、胃、腸にカンジダ菌をばら撒きます。

水銀

歯科の治療で多く使われてきた歯の詰め物アマルガムは、水銀を50%含んでいます。

コーヒーを飲む、ガムをかむなどの簡単な刺激で、容易に水銀蒸気が蒸発し、体内に入り込みます。

水銀は免疫力を低下させ、カンジタの増殖を後押しします。

カンジダ菌の除去

腸内除菌は、食事やサプリメントで

  • カンジダ菌を減らす
  • 乳酸菌など善玉菌を増やす

これを同時におこなっています。

乳酸菌などは腸内に定着し難い為、腸内除菌は最低でも3ヶ月間は必要となります。

治療効果の一つの目安として、ガスの臭いがなくなる、お腹が張らなくなるなどの変化があります。

ただし、善玉菌が増えた効果によるもので、悪玉菌の除菌が完了しているとは限らない場合があります。

ハーブ療法

ハーブやスパイス類には、カンジダ菌の菌糸形発育を阻止する活性があります。

特に効果が高いものは

  • シナモン
  • わさび
  • クローブ
  • バジル
  • セージ

です。

他にも

  • オレガノ
  • レモングラス
  • コリアンダー
  • クミン
  • ターメリック
  • アニスシード
  • グレープフルーツシード
  • キャッツクロー
  • パウダルコ
  • オレガノオイル
  • ワームウッド
  • オレガノオイル
  • マリーゴールド
  • こしょう
  • 唐辛子

などの香りの強いものやポリフェノールを多く含むものには、カンジダ菌に対して効果があります。

香味野菜

新鮮な野菜を食べましょう。特に香りの強いものやポリフェノールを含むものが効果的です。

  • ニンニク
  • 生姜
  • シソ
  • パクチー

水溶性食物繊維が豊富な食材

便秘にならないように、もしくは便秘を解消できるように整腸作用のある食材を摂りましょう。

  • 野菜:
    ごぼう、モロヘイヤ、おくら、玉ねぎ、らっきょう、菊芋、山芋、こんにゃく
  • 海藻:
    わかめ、あおさ、海苔、ひじき、もずく、めかぶ、とろろ昆布、寒天
    ※海藻の過剰摂取は控えること
  • 果物:
    プルーン、アボカド、りんご、キウイフルーツ

善玉菌

免疫力を高めるラクトバチルス アシドフィルス菌(乳酸桿菌)やビフィズス菌を、ヨーグルト、サプリメントなどで摂りましょう。

ココナッツオイル(中鎖脂肪酸)

ココナッツオイルがカンジダ菌に直接与える作用は明確にされていませんが、ココナツオイルの摂取により、便中のカンジダ菌量が減少することが報告されています。

ココナツオイルが消化管内のリパーゼで分解される結果として、中鎖脂肪酸(デカン酸など)ができ、それがカンジダ菌の消化管内の増殖を抑制していると考えられています。

良質の油(オイル)

便秘の解消や糖尿病の予防に効果的なオリーブオイルは、調理用の油として積極的に使うと良いです。

青魚に多く含まれるDHAやEPA、植物油に含まれるα-リノレン酸は、オメガ3系脂肪酸に分類され、炎症を抑える効果があります。

α-リノレン酸(ALA)は、必須脂肪酸(体内で合成できないため摂取する必要がある)で、主に

  • 亜麻仁油(フラックスシードオイル
  • えごま油
  • クルミ
  • 大豆
  • チアシード
  • バジルシード
  • 麻の実(ヘンプシードオイル
  • スピルリナ

に含まれています。

DHA・EPAフィッシュオイル(魚油)の摂取

日本人の食事摂取基準(2010年版)では、フィッシュオイル(EPA・DHA)について、1日に合計で1000mg以上の摂取が望ましいとされています。

魚を常食しない人にとって、フィッシュオイル(魚油)サプリメントの摂取は、オメガ3を摂る方法の一つです。

オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂取する場合は、通常1日500〜4000mgのフィッシュオイル(魚油)を摂取します。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランス

必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、体内で対抗するように働きます。

オメガ6脂肪酸は、血液を凝固させたり、体内の炎症を促進したりする働きがあり、オメガ3脂肪酸は、血液を固まりにくくしたり、炎症を抑えたりする働きがあります。

この2つの脂肪酸のバランスが崩れて、一方が過剰になると、血が固まりやすくなって心筋梗塞などのリスクが高まったり、逆に血がサラサラになりすぎて、出血が止まらなくなったりします。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の望ましい摂取比率は、1:1~4であると報告されています。

日本脂質栄養学会が推奨している、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率は1:2です。

オメガ3脂肪酸が多い植物油

植物油には、オメガ6脂肪酸のリノール酸が豊富に含まれているものの、オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸はあまり含まれていないものがほとんどです。

リノール酸よりもα-リノレン酸の含有量が多い(オメガ6脂肪酸よりもオメガ3脂肪酸が多い)植物油は、エゴマ油とアマニ油(フラックスシードオイル)です。

α-リノレン酸は取り扱いに注意

α-リノレン酸は、光と熱に弱く酸化されやすいという特徴があります。

そのため揚げ物や炒め物など、加熱調理には適していません。

サラダやマリネ、カルパッチョなど、油をそのまま生で使う料理や、冷奴や湯豆腐、納豆、ヨーグルトなどにそのままプラスするなどの使い方で、摂ることができます。

α-リノレン酸を含む油で加熱調理をした場合には、オメガ3としての効果は期待できませんので、注意してください。

保管は開封前は冷暗所、開封後は冷蔵庫で保管しましょう。

空気に触れると酸化してしまうので、開封したら1か月をめやすに早めに使い切ることをおすすめします。

薬剤とアルコール

抗菌剤は腸内細菌叢を破壊するので極力控えましょう。

カンジダ菌のエサを避ける

  • 糖分(甘いもの):
    特にブドウ糖、ショ糖(砂糖)、麦芽糖、アミノ糖、ハチミツ、メープルシロップ
  • 精製された糖質(パン、麺、白米)
    ※できるだけ白米ではなく玄米を摂るようにしましょう
    十割そば(そば粉100%)、キヌア、オートミールなども未精製の炭水化物です
    ※小麦は全粒粉(未精製)でもグルテンが腸壁にダメージを与えるので避けましょう
  • ゼラチン

腸内環境を乱すものを避ける

  • 遺伝子組み換え食品
  • 添加物(インスタント食品・レトルト食・コンビニ弁当など)
  • 人工甘味料
  • 加工肉(ハムやベーコンなど)
  • 加工食品
  • アルコール
    ※カンジタ菌の生成する毒素や死骸を解毒するためには、肝機能の働きを高めておく必要があり、アルコールは肝臓に負担となります
  • グルテン(パン、パスタ、うどん、麺など)
  • カゼイン(牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品)
  • トランス脂肪酸
    炎症やアレルギーの症状を悪化させます
  • 酸化した油

肝臓の補助

カンジダ菌の増殖によってリーキーガット症候群になっている場合、リーキーガットにより血管内に入ってしまった不要な物質を処理するために肝臓は多くの仕事をこなしています。

カンジダ菌を駆除する際に、ダイオフにより放出される重金属や化学物質、カンジダ菌の死骸の処理で、肝臓には多大な負荷がかかります。

肝機能に良い「タウリン」の豊富な食材

  • 牡蠣・ホタテなどの貝類
  • タコ
  • イカ

腸内を酸性に保つ

弱酸性の乳酸菌が腸内を酸性に保つことで、カンジタが菌糸を出しにくく、増殖しにくくなります。

アルカリ環境下ではカンジタは菌糸型に変化し、菌糸が腸粘膜を貫いて悪性分泌物を体中にまき散らします。

腸内環境を弱酸性に保つことはカンジタを増殖させないためにとても重要なことです。

純りんご酢(アップル サイダー ビネガー)

りんご酢には解毒作用があります。ただし、糖類添加のないリンゴのみで作られた純りんご酢にしましょう。

水(ミネラルウォーター)

腸内や身体全体のデトックスには、十分な水が欠かせません。

水分が不足すると、溜まった毒素がいつまでも体内から排出されず、血液も汚れます。

食事から摂取する水分と合わせて、1日に最低2リットル以上を摂取しましょう。

ただし食事中は消化不良の原因になるので、水分を摂りすぎないようにしましょう。

塩素を含んだ水道水は、腸内細菌に良くないため、浄水器を使用するか、沸騰させる、もしくはミネラルウォーターを活用しましょう。

消化酵素の摂取

腸をサポートする栄養素の摂取

必要に応じて、腸壁の修復や腸内環境の改善に役立つサプリメントを摂取しましょう。

  • L-グルタミン:
    腸の粘膜を修復
  • グリシン:
    腸の炎症を抑制する
    (肝臓の解毒能力を高めるアミノ酸です。腸からもれ出た毒素の処理を促し、腸の粘膜の炎症を抑える働きがあります)
  • コラーゲン:
    髪、肌、爪が若返る
    (コラーゲンは皮膚、髪、爪を構成する成分。潤いやハリのある肌、コシのある髪、丈夫な爪づくりに役立つとともに、腸粘膜を強化・修復する働きもあります)
  • ミネラル:
    体の機能を調節する
  • オメガ3系脂肪酸:
    2,000mgを1日2回
  • プロバイオティクス:
    100億ユニット以上を1日に2回
  • ケルセチン:
    1,000 mgを1日2回
  • リコリス:
    健康な腸内細菌叢の繁殖に役立つハーブ
    ※高血圧の場合は、DGLフォーム(脱グリチルリチンリコリス)を使用
  • アロエベラジュース
補助サプリメント
  • キレートマグネシウム
  • 亜鉛
  • プロテイン:
    代替食(乳清や大豆の代わりに、ライスプロテインの使用を推奨)
  • ボスウェリア:
    炎症を軽減して腸の健康をサポートするアーユルヴェーダのハーブ
  • アルテミシア:
    腸内の善玉菌を増やすのに役立つ
L-グルタミン

L-グルタミンは、人体で最も豊富なアミノ酸で、筋組織の合成と保護、グリコーゲンの生成など数々の代謝プロセスに関与しています。

ストレスに対して、主要なエネルギー源として免疫系をサポートします。

L-グルタミンは小腸の腸細胞の栄養源でもあり、腸の粘膜を修復をサポートします。リーキーガットに欠かせません。

天然成分リコリス

リコリスは、スペインカンゾウとも呼ばれ、昔から世界中で広く利用されている生薬です。

東アジアで伝統的に甘草(カンゾウ)として知られてきたウラルカンゾウとは別種ですが、日本薬局方では生薬「甘草」の基原植物として認めています。

何千年も、中国の本草学において研究、使用されてきました。

リコリス・甘草の健康効果
  • ストレスをやわらげる:
    ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンを長く体内に留める働きと、全般的な抵抗力を高める働きがあります。
  • アレルギーを抑制する:
    甘草のグリチルリチンは、抗アレルギー作用のあるコルチゾンに似た成分です。
    強い抗ヒスタミン・抗アレルギー作用があるので、炎症を抑え、かゆみなどをとり除きます。
  • 肝機能を高める:
    肝臓には、もともと解毒作用がありますが、甘草の主成分のグリチルリチンは、肝臓の解毒作用を強化するといわれています。
  • 免疫力を高める:
    甘草は、古くから腫瘍(しゅよう)を抑制する漢方として利用されてきました。
    甘草は免疫増強作用があることが知られています。

リコリス・甘草のストレスをやわらげる作用は、リーキーガットに効果的で、アレルギーを抑制する作用は、炎症による皮膚疾患やアトピーの改善に効果的です。

ただし主要成分のグリチルリチンは血圧上昇を引き起こすことがあります。

高血圧の場合は、グリチルリチンを除去したDGLフォーム(脱グリチルリチンリコリス)を使用しましょう。

ミネラル、キレートマグネシウム

マグネシウム、カルシウム、リンなどのミネラルは、体の機能を調節するのに必要です。

特にマグネシウムは、現代人に不足しがちなミネラルです。

血糖や血圧を調節したり、精神を安定させたり、鎮痛・エネルギー産生・解毒作用を促すなど、「ミネラルの王様」と呼ばれる程の多彩な働きをします。

キレートマグネシウムは、キレート加工により吸収率を上げたマグネシウムのサプリメントです。

マグネシウム・亜鉛などのミネラルは、吸収率が極端に低く、わずかしか体内に吸収されません。

そこで、ミネラルにアミノ酸を結合(キレート)させる事で、吸収率を格段に高めています。

アロエベラ

アロエベラは、トゲトゲとした多肉植物で、何千年にもわたって世界各地で治療用途に使われてきました。

アロエベラが、アロエ種の中で最も生物学的に活性があると考えられています(世界保健機関1999)。

アロエジェルには強力な抗酸化物質であるポリフェノールも含まれています。

ポリフェノールは人の体内で感染症を引き起こす特定のバクテリアの成長を防ぐのに役立つと言われています。

アロエジェルには抗酸化作用があるので、炎症を改善する効果も期待できます。

中国医学では、真菌性疾患の治療に推奨されています。

伝統的なインド医学では、便秘、疝痛(せんつう・はげしい腹痛が繰り返す)、皮膚疾患、寄生虫侵入、及び感染症に使用されてきました。

アロエベラジュースは、胸焼けや過敏性腸症候群等の消化器疾患の解消のために飲用されています。

治療が難しい過敏性腸症候群に対し、アロエベラが症状の改善に有効であることが、米国消化器学会で発表されています。

注意が必要な食品

  • カビやイースト菌(酵母菌)を含む食品:
    • きのこ
      きのこは菌そのものです
    • ナッツ類
      カシューナッツ、ピーナッツ、ピスタチオにはカビがついているものが多い
    • コーヒー豆
      コーヒ豆にはカビが付いています
      カフェインは肝臓に負担となります
    • 数日前の残り物のごはん
  • 発酵食品、酵母(カビ)を含む食品:
    • 天然酵母、ドライイーストでつくるパン
    • チーズ
    • キムチ、漬物、みそ、塩麹、等
  • 果物:
    ビタミンやミネラル、抗酸化物質をたっぷり含みます。ただし、カンジタのエサとなる果糖など糖質を含むので、食べすぎは禁物。1日100g以下に抑えましょう。
  • カフェイン:
    血糖値を上昇させます
    肝臓に負担となります
  • 辛いもの(刺激が強いもの)
  • オメガ6系脂肪酸(ω-6脂肪酸)
    炎症作用があるので、できるだけ摂取しないようにしましょう
    サラダ油、パーム油、大豆油、紅花油、菜種油、コーン油、ヒマワリ油など

口腔ケア

口の中で増えたカンジダ菌は、消化管の内容物とともに食道、胃や腸を通り肛門にまで達します。

カンジダ菌は流れが滞るところにとどまり、増殖する性質があります。

歯と歯の間に付着した歯垢や、虫歯による穴などがあると、そこに大量のカンジダ菌がとどまります。

歯の隙間や奥まったところなど、歯間ブラシも使い、念入りに口腔ケアをしましょう。

殺菌剤が入ったうがい液は、カンジダ菌も一時的に激減できますが、良い働きをする常在菌も殺菌してしまうため、日常的に使うのは避けましょう。

舌苔ケア

舌苔(ぜったい)とは、舌に付着する白い苔状のもの。

1日に1回、起床時に舌をチェックして、舌苔があれば、舌専用のブラシ(舌ブラシ)で、舌を傷つけないように優しく丁寧に落とします。

水に浸したを舌苔の一番奥に当て、軽い力で手前に引きます。

一度引くごとに舌ブラシを水で洗います。

舌苔を落とすだけで大丈夫です。磨きすぎは口内細菌によくありません。

口の中にあるネバネバは、飲み込まずうがいで出しましょう。

ストレスをためない

ストレスによって生じるコルチゾールは、カンジダが好む糖を血液中で増加させます。

部屋を清潔にする

空気中のカビも影響すると考えられます。

部屋の掃除・エアコンの掃除・空気の入れ替えなどこまめに行いましょう。

低炭水化物(糖質制限)

精製されていない炭水化物は、精製されたものに比べて、食後の血糖値が急上昇しませんが、糖質を含むので血糖値は上昇します。

カンジダの繁殖しやすい体内環境となりますので、低炭水化物(糖質制限)が推奨されます。

以下の量のバランスで食事をしましょう。

  • たっぷりの野菜:全体の2/3以上
  • タンパク質:全体の1/3以下
  • 精製されていない炭水化物:少量

断食(ファスティング)

断食(ファスティング)をすることで、消化・吸収・排泄をしている体を、排泄に集中させます。

デトックス(毒出し)により、腸内環境をリセットすることで、腸内細菌叢を作り直します。

ただし副腎疲労・血糖値のコントロールの難しい病態の人は、自己判断で実施することは大変危険です。

また長期間の水飲み摂取の断食も危険です。免疫力が低下して、悪化する可能性もあります。

正しいやり方を学んでからおこないましょう。

カンジダ菌によるダイオフ症状

ダイオフ(Die-Off)症状とは、菌の死滅反応によっておこる症状です。

体内のカンジダ菌の駆除を行った際、カンジダ菌が死滅すると同時に、菌が持っている重金属やアンモニアなどの有害物質が放出されます。

この有害物質により不快な症状やが引き起こされたり、症状が悪化します。

またガスが大量に発生するため、ガスが何度も出ます。

次のような症状が現れる場合があります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 寒気
  • 悪心
  • アレルギー・かゆみ
  • 関節・筋肉痛
  • 倦怠感

症状はカンジダ菌の駆除が終われば治まりますが、一週間以上は不快な症状が続くことが多いです。

カンジダ症およびリーキーガットは、2~4週間を目安に症状が治まることがありますが、症状が治まっても3か月間は除菌の継続をします。

一時的に症状が治まったとしても、バイオフィルムの中の菌は、駆除できてない場合が多いです。

完全に駆除するまでは、カンジダ菌のエサが増えると、また悪化します。

ハーブや乳酸菌のサプリメントを利用すると、症状を緩和させることができます。

ナイスタチン(抗真菌剤)

ナイスタチン(ニスタチン)は、酵母菌、カンジダ菌など真菌類の除菌に使用されるポリエン系抗生物質の一つ。

カンジダの治療には、腎毒性が強いため、消化管カンジダ症目的の経口投与を含めて局所的に使用されます。

日本で承認されている効能・効果は、カンジダによる消化管カンジダ症ですが、海外ではおむつかぶれや皮膚カンジダ症、食道カンジダ症、膣内イースト菌感染症に使用されます。

ナイスタチンの摂取により、吐き気・腹痛・下痢等の副作用が生じる場合があります。

カンデックス(サプリメント)

カンジダ菌の除菌。

乳酸菌(サプリメント)

乳酸菌(善玉菌)の補充すると、ナイスタチンによる副作用を緩和することが期待されます。

除菌サプリメントの注意点

耐性菌の発生を防ぐために、2種類のサプリメントを交互にする必要があります。

5章 病気