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断食(ファスティング)療法の方法

医療目的での断食は、ヨーロッパでは長い伝統があり、「Fasting Therapy(ファスティング セラピー)」と呼ばれています。

ファスティング セラピーは、専門の断食病院または統合医療の臨床部門における明確な治療アプローチとして確立されています。

日本では絶食療法(断食療法)と呼ばれ、民間療法や代替療法になるかと思いますが、あまり知られていません。

治療よりもダイエットやアンチエイジングを目的としたファスティングの方が注目されてますね。

ファスティング セラピー(絶食療法)の効果

予備的な臨床データおよび観察データ、ならびに最近明らかにされた断食およびカロリー制限のメカニズムは、様々な慢性疾患において有益な効果を示しています。

  • 慢性関節リウマチ
  • 代謝性疾患
    • II型糖尿病
    • 脂質異常症(高脂血症)
    • 肥満症
    • メタボリックシンドローム(メタボ)
    • 骨粗鬆症
  • 複合性局所疼痛症候群
  • 高血圧
  • 慢性炎症性疾患
  • アトピー性疾患
  • 心身症(心血管系の病気)

ファスティング セラピー(絶食療法)は、他にも多数の適応症があります。

体の病気

  • 腰痛
  • 片頭痛
  • 過敏性腸症候群
  • 慢性便秘
  • 喘息
  • アレルギー性鼻炎(花粉症)
  • にきび
  • じんましん
  • 緑内障
  • 更年期障害
  • 女性と男性の不妊症

精神障害

  • うつ病性気分障害(軽度から中等度)

断食の禁忌とリスク

ファスティング セラピー(絶食療法)の禁忌

  • 悪液質(何らかの疾患を原因とする衰弱した状態)
  • 拒食症と摂食障害
  • 未制御の甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • 進行性の脳血管不全・認知症
  • 進行性の肝不全・腎不全(肝臓・腎臓の障害
  • 妊娠・授乳期

ファスティング セラピー(絶食療法)のリスク

次に該当する場合はリスクがあるので、医師の指導を受ける必要があります。

  • 中毒
  • I型糖尿病
  • 精神病性疾患
  • 不安定または重度の冠状動脈疾患
  • 網膜剥離
  • 心室性・十二指腸潰瘍
  • 癌と悪性疾患
癌治療と断食

癌治療における長期の絶食は、効果があるという報告はありますが、さらなる研究が必要です。

短期間の絶食は、化学療法サイクル中の補助治療として有望です。

断食は、選択された悪性腫瘍の化学療法と相乗的に作用し、主要治療の副作用を軽減するようです。

調整する必要がある薬

  • 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
  • 全身性コルチコイド
  • 降圧薬(特にβ遮断薬と利尿薬)
  • 糖尿病治療薬
  • 避妊薬(限定効果)
  • 抗凝固剤
  • 向精神薬(特に神経遮断薬とリチウム)
  • 抗けいれん薬

断食による体の変化

断食中、通常は消化、吸収、輸送、栄養素の貯蔵に必要なエネルギーが節約されます。

細胞は、老化経路が非活性化される保護モードに切り替わります。

発現される遺伝子は、修復酵素を活性化する遺伝子です。

断食の定義

断食は、限られた期間だけ固形食品を食べること、興奮剤(カフェイン、アルコール、ニコチン)を摂ることを、自発的に禁じます。

断食の方法

断食の準備

  • カロリー制限(ベジタリアン食、約1,000kcal/日)
  • 興奮剤(カフェイン、アルコール、ニコチン)の除去
  • 軽度から通常の身体活動

断食期間

食事(摂取する飲み物)

断食期間は

  • カロリーを含まない飲み物(水、ハーブティー):
    2.5リットル/日
  • 野菜スープ:
    0.25リットル/日
  • フルーツジュースまたは野菜ジュース
    (絞りたて、オーガニック):
    0.25リットル/日
  • 蜂蜜:
    最大ティースプーン3杯/日

を摂り、約250~500kcal/日にします。
総液体供給量は1日あたり最低2.5リットルです。

使用されるすべての食品は、新鮮でオーガニックな高品質の食品にしましょう。

断食期間の初日に腸クレンジング

腸の残存物および落屑した粘膜細胞を除去するために、断食期間の最初の日の朝に、クレンジングをします。

体重に応じて30~40gの硫酸ナトリウム(グラウバー塩)を1リットルの水に溶解し、20分以内に服用します。少量のレモン汁で味を改善できます。

腸の動きを引き起こすため、硫酸ナトリウム溶液を飲んでから約30分後に、さらに0.5~1.0リットルのお茶または水を飲みます。

腸管腔内の非吸収性硫酸ナトリウム(グラウバー塩)を溶解し、大きな腸壁に対する圧力を高めることによって、十分な液体が利用でき、蠕動運動を刺激します。

ただし敏感な胃腸管(胃炎・下痢の傾向)の場合は、硫酸ナトリウム(グラウバー塩)の量を減らすか、より穏やかに蠕動運動を刺激する別の方法を検討する必要があります。

断食による腸蠕動運動の減少

消化管内の継続的な基礎分泌(例:胆汁)や、 胃腸粘膜細胞、腸内微生物叢の絶え間ない落屑が排除されないと、。吐き気や鼓腸などの症状、毒性ストレスを引き起こす可能性があります。

追加の洗浄

通常は穏やかな水または結腸の高い浣腸を使用して、1日おきに実行することをお勧めします。

代案としては、0.25リットルの水に1~2杯の硫酸マグネシウム(エプソム塩)を溶かして使用します。

全排泄システムの増強
  • 身体活動(体を積極的に動かすこと)は、身体内と排泄器官内の大循環と小循環の全般的な刺激を引き起こし、それらの活動を増強することができます
  • 毎日、少なくとも2.5リットルの水分摂取により、腎機能を刺激します
  • 肝臓パック(湿ったリネンの布に包まれた湯たんぽなど)の塗布は、肝臓機能を刺激します。
    (例:毎日、正午に横になった姿勢で約30分間)
  • 能動的と受動的な発汗による皮膚機能の促進と代謝
    (例:ホットシャワー/バス、ハイドロセラピー)
  • マッサージ
  • 毎日、歯と舌を磨くことによる口腔の洗浄
身体活動

毎日、個々に適応した適切な有酸素運動をおこないましょう。

  • 循環活動の促進
  • 筋肉の強さを維持・向上させる
  • 筋肉を消費して必要なエネルギーを維持しようとするタンパク異化作用を防ぐ
  • 呼吸による二酸化炭素の排泄の増加と筋細胞を通じた酸素摂取量の増加
  • 熱産生が減少するため、熱産生を促進する
  • リンパの流れを促進する
リラックスと休息

断食中には休息とリラックス、沈黙の時間、瞑想などに十分な時間をとりましょう。

回復期間

断食後の回復期間は、固形の食物摂取量を慎重かつ段階的に再導入することが重要です。

断食は、断食の最終日にいわゆるfast-break(Breaking the Fast)で終了します。

breakfastは、日本語訳にすると朝食・最初の食事の意味ですが、断食(fast)を中断する(break)が語源ですね。

通常、生または調理済みの熟したリンゴをゆっくりと食べます。夕方にはポテトスープを飲みます。

豊富な食物繊維(全粒穀物、プルーン、もしくは亜麻仁)、不飽和脂肪酸(コールドプレス製法の植物油)、および少量の飽和脂肪を、個々の状態に合わせて摂ります。

1日の総カロリー摂取目標の目安です。

  • 回復1日目:約800kcal
  • 回復2日目:約1,000kcal
  • 回復3日目:約1,200kcal
  • 回復4日目:約1,600kcal

咀嚼はゆっくりと意識的におこないましょう。

食事の合間にたくさんの水分を飲み続けるべきです。

自然な腸の動きと排便は、1日目と4日目の間に起こるはずです。

ファスティング