増加する瞑想を実践する人たち
米国の成人(18歳以上)で過去12ヶ月に瞑想を行った人は、
2012年:4.1%
2017年:14.2%
と5年で3倍以上に増加しています。
4~17歳の米国の子供たちの間でも、瞑想は広がっています。
過去12ヶ月に瞑想を行った子供たちは
2012年:0.6%
2017年:5.4%
と5年で9倍と大幅に増加しました。
米国では老若男女問わず、実践している人が増えていますが、男性よりも女性の方がより瞑想を行った人が多くなっています。
米国では、毎年実施するNHIS(国民健康聞取り調査)に加え、国立補完統合衛生センター(NCCIH)と国立衛生統計センター(NCHS)が作成した補完的な健康調査を2002年から5年ごとに実施しています。
この2012年の第3回調査と2017年の第4回調査の結果を比較しました。
瞑想の効果
瞑想の経験がない人は、
「宗教やスピリチュアルの世界に興味ある人がやっている非科学的なもの」
と思うかもしれませんが、そうではありません。
Google、Facebook、ナイキなどのグローバル企業が社内で瞑想を取り入れて、効果を上げています。
企業の経営者にも瞑想の実践者は数多くいます。
経営者やビジネスマンが瞑想をすることで、このような効果を感じています。
- 集中力、注意力が上がった
- 記憶力、決断力の飛躍的向上した
- 慢性的なストレス症状が解消した
- 自分に自信が持てるようになった
- 幸福感を感じられるようになった
瞑想を実践する人たちが増加すると同時に、瞑想のやり方の有効性と効果に関する研究が急増しています。
2012年のNHIS(国民健康聞取り調査)から、米国成人の瞑想を行ったと報告されている、35%を占める最も一般的な理由は
「ストレスを軽減すること」
です。男性の90%と女性の94%が瞑想が役に立つと感じていました。
「瞑想は、不安、抑うつ、ストレス、慢性の疼痛(ずきずきとうずくように痛む)状態などを含む、複数の健康問題に有益である」と研究から報告されています。
なぜ瞑想が健康に有益なのか?
瞑想が目指すのは、
「思考を支配することではなく、
思考に支配されないようにする」
ことであると言われています。
ストレスがかかっている状態は、原因となっているストレッサーに対して過度に集中している、思考が支配されている状態です。
瞑想することで、ストレッサーに対して一歩下がって観察することができます。
ストレッサーにリラックスしたまま、集中した心で対応できます。
ストレスに思考がとらわれなくなり、ストレスから開放されます。
瞑想で何が得られますか?
瞑想をすることで何か特別なものを得ようとしても難しいでしょう。
瞑想とは
- 思考を止める(無になる)こと
- 感情を捨てること
- 心を抑制すること
ではありません。
瞑想は今、この瞬間を穏やかな心で観察することです。
そうすることで日々のいざこざから思考を開放できます。
瞑想を続けることで、
- 怒り
- 不安
- 落ち込み
- 自信のなさ
- 老いや死への恐れ
を手放します。
そして、このように感じるでしょう。
- 欠けているものがなく満たされている
- バランスがとれている
- 穏やかで深いリラックスしている
- 感覚が研ぎ澄まされて集中している
- クリアになってよく見える
瞑想による期待される効果
- 医療の必要性が全般的に減る
- 冠動脈疾患の発症が半減する
- 高齢者のQOL(クオリティオブライフ:生活の質)が高まる
- 寿命が延びる
- 不安やうつが減る
- 知性と創造性が促さる
- ぐっすり眠れる
- しあわせな気持ちになる
- 禁煙の役に立つ
マインドフルネス瞑想のやり方
一般的なイメージとして瞑想とは、
「座禅をして、目を閉じ、動かずに、何も考えない」
と思い浮かべるかもしれませんね。
ですが、座禅(床に足を組んで座ること)にこだわる必要はありません。
椅子に座っておこなっても大丈夫です。
重要なのは、意識を一つに向けることです。
瞑想には様々な方法がありますが、
意識を集中させるための方法が違うのです。
そこで集中ができる姿勢になります。
それはおそらく背筋を伸ばるように座り、目を閉じる状態になるでしょう。
その状態で呼吸に注意を向けたり、呼吸によるお腹の動きや鼻を通る風を感じたり、マントラ(真言:意味を持たない言葉)を唱えたり、体の感覚を観察をします。
試してみるとわかりますが、意識を集中させようとしても、瞬く間に別のことが頭に思い浮かび、意識がそちらに向いてしまいます。
しかし続けていると、散漫な意識が段々と留められるようになってきます。