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口に入れただけでは栄養を吸収できない

食べる物に気を付けている人でも、食べ方に気を付けている人は少ないのではないのでしょうか。

口に入れば同じ?

口から食べ物・飲み物を体の中に入れますが、そのまま体に吸収されるわけではありません。

食物を胃で溶かし、腸で分解して、栄養を吸収することで、全身に栄養を巡らせることができます。

消化・吸収がしっかりできないと、体の栄養になりません。
消化器官がしっかり機能しないと。

「口に入れば同じ」とはならないのです。

栄養を摂るために

健康になるために、健康食品を食べる人は多いですね。

栄養成分表示をチェックしたり、サプリメントカプセルを飲んで、栄養を摂ろうとしている人もいるかと思います。

しかしながら繰り返しになりますが、食べたものがそのまま吸収されるわけではありません。

健康食品を食べたから、サプリメントを飲んだから、栄養が十分に摂れていると考えるのは危険です。

人は口から摂取された食物を、そのままの形では体内に吸収することができないのです。

そのため消化する、食物を吸収できる栄養素にまで分解することが必要です。

では、しっかりと分解するために、栄養を吸収するために、気を付けるべき食べ方とは?

消化器系の機能と働きを知る

消化する

消化器系の唾液、胃液、膵液、腸液によって、吸収できる栄養素にまで分解します。

  • 炭水化物 → ブドウ糖などの単糖類
  • タンパク質 → アミノ酸
  • 脂肪 → 脂肪酸+グリセリン

以上は三大栄養素の消化ですね。
以下はそのままの形で吸収されます。

  • 水分
  • 電解質(イオン)
  • ビタミン

消化作用は、

  1. 歯によって噛み砕く
  2. 消化酵素により分解する
  3. 腸内細菌による発酵作用により分解する

等に分類されます。

よく噛む
噛むこと(咀嚼)が大事だと言われるのは

口から摂取された食物は、歯で噛むこと(咀嚼)によって消化しやすい大きさに噛み砕かれ、唾液と混合されることでデンプン(澱粉)や脂肪が分解されます。

よく噛むことは、食物を噛み砕くことで消化しやすくするだけではなく、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを抑えたり、唾液の分泌量を増やします。

唾液には殺菌・抗菌作用があり、食物に含まれる害のある菌から体を守ることができ、唾液の分泌量が増えることで、唾液に含まれる消化酵素により、消化がよりしやすくなります。

噛む(咀嚼)効果
  • 食べ物を細かくして消化しやすくする
  • 満腹中枢を刺激して食べ過ぎを抑える
  • 唾液の分泌量を増やす
  • 唾液でデンプン・脂肪を分解する
  • 唾液による殺菌・抗菌作用(免疫機能)
消化作用
  1. 機械的(物理的)消化
    食物を小さく粉砕、混合する
  2. 化学的消化
    消化液中、小腸粘膜にある消化酵素や酸、アルカリ等によって小さな分子に分解する
  3. 生物学的消化
    大腸内に存在する腸内細菌による腐敗、発酵作用によって食物を分解する
胃による消化

胃に送られた食物は、蠕動(ぜんどう)運動で胃液と混ぜられ、胃液の作用によって液状の状態まで消化されます。

胃液により、感染症の原因になる細菌やウイルスを殺菌したり、一部の有害物質を分解することで、身を守っています。

胃液はpHは1.0~1.5の強酸性です。胃の粘膜は、アルカリ性の粘液によって保護されています。

しっかりと消化するために

食事の際に水分を摂り過ぎると、胃液が薄まって、十分に溶かせなかったり、時間がかかります。

特に冷たい飲み物の飲み過ぎは、蠕動運動の低下もおこります。

ストレスや、アルコール度数の高いお酒を飲むことで、粘液が減少すると、バリア機能が低下して、胃痛や胸焼け、はきけ、むかつき等の胃の不調の原因となります。

吸収する

小腸

小腸は長さ約6mある消化管で、腹腔の中で曲がりくねっていて、筋肉の収縮によって3m前後まで縮んでいます。

長さ約25cmの十二指腸と、空腸・回腸に分けられます。

十二指腸

食物が十二指腸へ入ると、膵液と胆汁が消化管内に分泌されます。

膵(すい)臓は、膵液を分泌し、炭水化物・たんぱく質・脂質を分解します。

胆嚢は胆汁を分泌し、脂肪を乳化して、消化酵素の働きを助けます。

胆汁はその90%以上が小腸で吸収され、肝臓に戻されます。

空腸・回腸

空腸・回腸は腸液を分泌し、炭水化物・たんぱく質・脂質を最終的に分解し、吸収します。

腸液は、十二指腸腺から1日に1.5~3L分泌され、小腸上皮細胞の消化酵素と共に消化をおこないます。

空腸は小腸の2/5の長さに相当して、摂食された食物が比較的速く通過するために、内部が空になっていることが多くなります。

回腸は小腸の3/5の長さに相当して、空腸とはっきりした境界は見られず、空腸に続いています。

小腸に流れ込む9リットルのうち7リットルぐらいは栄養素と共に小腸で吸収され、残り2リットルが大腸に入ります。

大腸

大腸は小腸から続く管で、小腸よりも太く、長さは約1.5m。

口側から盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸に分けられます。

消化吸収できなかった食物の水分を吸収し、食べもののカス(食物残渣)が集められ、固形状の便を形成します。

とどまる時間が長すぎると、水分の吸収が過剰になされ便秘を引き起こします。

大腸に住む腸内細菌(腸内環境乳酸菌・ビフィズス菌など)は、消化されなかった食物繊維を一部分解し、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンKを合成し、一部吸収されます。

直腸(大腸)

大腸の出口である直腸は、便を一時的に溜めます。直腸に一定量溜まると、便を排泄します。

腸の一部や腹部の筋肉が収縮し、同時に肛門(こうもん)の筋肉が開いて、便が外に押し出されます。

1章 身体