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年齢を重ねることにポジティブな人は長生きできる!

あなたは年を取るのは嫌ですか?

「歳を取ること」の捉える方で寿命が変わったという驚きの調査結果が出ています。

イェール大学の研究で、20年にわたって中年の男女を調査をしました。

年齢を重ねることを「ポジティブに捉えている人たち」は、「ネガティブに捉えている人たち」よりも、平均寿命が7.6年長かったのです。

  1. 「嫌」と思うと、認知症になる確率が高くなる
  2. 「歳を取ること」への意識調査
  3. ネガティブな捉え方は脳にダメージを与える
  4. 加齢を肯定的に考えている人の寿命は7.6年長い
  5. ポジティブなイメージは認知症のリスクを下げる
  6. 自分はまだ若いと感じることが長生きに
  7. 年を取ることを「ポジティブ」に捉えましょう!

「嫌」と思うと、認知症になる確率が高くなる

「もう歳だから‥‥仕方がない‥‥できない」

と言っていませんか?

口癖になっている人もいるかと思います。

では、はじめの質問に戻りましょう。

あなたは年を取るのは嫌ですか?

あなたが「嫌」と答えたなら、
ネガティブに捉えています。

それは認知症になるリスクが格段に高くなるということです。

「歳を取ること」への意識調査

イェール大学で中年の男女に、歳を取ることを

  • 知識や経験が豊富になるとポジティブに捉えるか
  • 自分は役立たずとネガティブに捉えるか

尺度を使って老いへの捉え方を調査し、その後に20年間にわたり(最長で23年間)、アルツハイマーの発症リスクを追跡調査しました。

対象者:

  • 米国における老化に関する最長の科学的研究(ボルチモア加齢研究)に参加した健常者(認知症の証拠なし)
  • オハイオ州に在住している338人の男性と322人の女性
  • 参加者の平均年齢は1975年時点で50歳

参加者におこなった質問(一部抜粋):

  • あなたが年をとるにつれ、自己評価は変わると感じますか?
  • 年をとると、あなたの価値は上がると思いますか、それとも下がると思いますか?

調査:

  • MRI脳検査(海馬のボリュームと、アルツハイマーの得点の変化)
  • アミロイド斑(脳細胞間のタンパク質沈着)・神経原線維変化(細胞間の絡み合ったタンパク質)

海馬とは、脳の中で「新しい記憶」をファイルして整理整頓する「記憶の司令塔」といえるところです。

海馬はとても繊細で壊れやすく、アルツハイマー病における最初の病変部位であり、心理的ストレスを長期間受け続けると萎縮してしまいます。

またアミロイド斑(老人斑)と神経原線維変化の蓄積もアルツハイマー病を調べるものです。

アルツハイマー病の患者の脳内では、異常なくらい大量の老人斑の沈着が起こり、神経細胞死が急速に広がります。

ネガティブな捉え方は脳にダメージを与える

研究調査で分かったのは

  • ネガティブなイメージの人ほど海馬のボリュームが萎縮していた
  • 老人斑(アミロイド班)と神経線維変化が蓄積していた

海馬のボリュームの萎縮スピードは、ネガティブな人のほうが明らかに早く、ポジティブな人が9年で萎縮する量をたった3年で到達してしまったそうです。

老いへのネガティブなイメージが、アルツハイマーの確率を上げてしまいます。

加齢を肯定的に考えている人の寿命は7.6年長い

高血圧や高コレステロールの有無で寿命を比べたところ、それぞれ約4年の差が出ました。

また運動や禁酒、禁煙などの健康なおこないをすると、寿命が約4年の差が出ました。

しかし、年齢を重ねることを「ポジティブ」に捉えている人たちは、「ネガティブ」に捉えている人たちよりも、平均寿命が7.6年長かったのです。

年をとることを前向きに考えることが、血圧値や高コレステロールを上回る影響力をもつことが示されました。

運動や禁酒、禁煙などの健康なおこないよりも、年齢を重ねることを肯定的に考えることの方が、影響力をもつことが示されました。

加齢について肯定的な考え方に加えて、健康的な食事をとる、運動を習慣としておこなう、たばこを吸わないといった、健康的な習慣が加われば、さらに健康寿命は延びていくと言えるでしょう。

ポジティブに考えれば認知症のリスクを下げる

公衆衛生大学らの研究によると、「歳を取ること」にポジティブなイメージを持つ人ほど、認知症にかかる確率が低くなります。

60歳以上で調査開始時に認知症のない被験者4,765人を対象に実験しました。

「歳を取ること」へのポジティブなイメージがあるか尺度で調査し、4年間に渡って認知症の調査をしました。

結果は‥‥

  • 老いにポジティブなイメージの人は、ネガティブな人より認知症を発症する可能性が43.6%低かった
  • アポリポ蛋白E4の人は、認知症を発症する可能性が49.8%も低かった

「アポリポ蛋白E4」は、アルツハイマー病の強力な遺伝的危険因子です。

被験者の中で元々認知症になりやすい「アポリポ蛋白E4」を持つ人でも、ポジティブなイメージにより、認知症を発症する確率が減少しています。

自分はまだ若いと感じることが長生きに

  • 「自分はまだ若い」と感じている人
  • 「年をとることを良いことだ」と肯定的に考えている人

この人たちは、健康に長生きする傾向があります。

英国のユニヴァーシティ カレッジ ロンドンの研究で判明しました。

研究チームは、50歳以上の男女6,489人を対象に調査をおこないました。

自分を何歳くらいに感じているか

という質問をし、その後8年間にわたり参加者の健康状態を追跡して調査しました。

その結果、「自分はまだ若い」と感じていることが、健康状態や環境の変化、生活能力などにさまざまに影響することが判明しました。

参加者の生活年齢(実年齢)の平均:65.8歳

自己評価して感じている年齢(評価年齢)の平均:56.8歳

  • 評価年齢が実年齢よりも3年以上若いと感じていた人:69.6%
  • 評価年齢と実年齢がほぼ同じと感じていていた人:25.6%
  • 実年齢よりも老けていると感じていた人:4.8%

8年後に「自分は若い」と実感していた人の死亡率は、25%低下していたことが明らかになりました。

一方で、「年をとった」と実感している高齢者では、死亡率は上昇していました。

死亡率:

  • 実年齢よりも老けていると感じていた人:24.6%
  • ほぼ同じに感じていていた人:18.5%
  • 実感年齢が若いと感じていた人:14.3%

がん、心臓病、糖尿病、脳卒中、関節炎など、加齢に伴い発症が増える病気との関連を調べたところ、がん以外は「自分は若い」と感じている人の方が状態が良いことが判明しました。

年を取ることを「ポジティブ」に捉えましょう!

年齢を重ねるたびに「経験」が増えていきます。

何歳であろうと「知識」は増やすことができ、より多くの「知識」を持つことができます。

「経験」と「知識」が増えることにより、より賢い意志決定ができます。

成長し続けていて、あなたの価値は上がっていくのです。

また、心安らかで、穏やかでいられます。

自分らしくいられます。

命のありがたみがわかります。

年をとることは、価値があり、人間的に成長でき、より多くのものを他の人に与えることができるのです。

老化研究