上の欲求レベルへ!
心理学者のマズローは、人間の欲求のレベルが5段階の階層に分けられると考えました。
あなたの欲求はどのレベルまで満たされているか、確認してみてください。
今の欲求を満たして、次の段階へ進もう
- 生理的欲求(食べたい・寝たい)
- 安全欲求(生活の不安をなくしたい)
- 愛の欲求(孤独になりたくない)
- 自尊心の欲求(尊敬されたい・自信が欲しい)
- 自己実現の欲求(自分の能力を発揮したい)
また1~4の欲求を欠乏欲求として、5の欲求を存在欲求として、区別しています。
欠乏欲求が満たされるほど、心に余裕ができます。
マズローの「自己実現理論」
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました。
- 生理的欲求 (Physiological needs)
生きていくための食事・睡眠・排泄など本能的な欲求
- 安全の欲求 (Safety needs)
病気・怪我、住まい、経済的な不安のない、安全・安心な暮らしの欲求
- 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
自分が社会に必要とされたい、愛されたい欲求
- 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
- 他者から尊重されたい、自尊心を満たされたい欲求
- 自己尊重感、自己信頼感で自分自身を認めたい欲求
- 自己実現の欲求 (Self-actualization)
自分の持つ能力や可能性を発揮し、自分がなりえるものにならなければならないという欲求
そして、さらにもう一つ上に6段階目の欲求
「自己超越の欲求」
があるといいます。
次の階層へ必要な達成度
現時点の欲求が完全に満たされなくても、現時点の欲求の達成率が一定値を超えれば、高次の欲求に移行することができるとしています。
- 生理的欲求 85%
- 安全欲求 70%
- 愛の欲求 50%
- 自尊心の欲求 40%
- 自己実現の欲求 10%
物理的欲求と心の欲求
「生理的欲求(食べたい・寝たい)」と「安全欲求(生活の不安をなくしたい)」は、体が求めるもの、命に関わることです。
「愛の欲求(孤独になりたくない)」、「自尊心の欲求(尊敬されたい・自信が欲しい)」は、心(精神)が求めるものですので、欠乏感があると、より辛さを感じるでしょう。
『所有の本能は
人間の本能の基礎である。』
-ウィリアム・ジェームズ(哲学者・心理学者)-
『偉くなりたい、
また金持ちになりたい
と願うことは、
嘘をつき、頭を下げ、
へつらい、偽ることを
自ら決心したことではないか。』
-オノレ・ド・バルザック(小説家)-
『最悪の病気と最悪の苦しみは、
必要とされないこと、
愛されないこと、
大切にされないこと、
誰もに拒絶されること、
誰からも消え失せることだと、
より実感するようになりました。』
-マザー・テレサ(修道女)-
『人間の本性の最も根源的な特長は、
自分を評価して欲しいという欲求である。』
-ウィリアム・ジェームズ(哲学者・心理学者)-
強欲にならず、満足を知る
世界中、いつの時代でも、種類は違えど、欲に溺れ、失敗を繰り返しています。
節度を持った、本質的な欲求を持ちましょう。
望蜀の嘆
一つの望みが叶うと、さらにその先を望むこと。(人間の欲望には限りがなく、満足を知らない)
四字熟語「望蜀之嘆(ぼうしょくのたん)」
『人はたくさん持てば持つほど、
増々たくさん欲しがるようになる。』
西洋の格言
『利欲は飽きることを知らず。』
-ピタゴラス(古代ギリシアの数学者・哲学者)-
『富は海水に似ている。
飲めば飲むほど、のどが渇くのだ。
名声についても同じことが言える。』
-ショーペンハウアー(哲学者)-
『満足しているのは誰か。
誰もいない。』
-ベンジャミン・フランクリン(政治家・外交官・著述家・物理学者・気象学者)-
足るを知る
『九分に足らば、
十分にこぼるると知るべし。』
-徳川 光圀(常陸水戸藩の第2代藩主:水戸黄門としても知られる)-
9分目でも足りないと欲しがると、
10分(満杯)になり、あふれてこぼれます。
『満足する人だけが、
十分に持つ者なのだ。』
-ベンジャミン・フランクリン(政治家・外交官・著述家・物理学者・気象学者)-
『一番小さなことでも満足できる人が、
一番裕福である。
何故なら満足を感じることが
自然が与えてくれる富だからだ。』
-ソクラテス(古代ギリシアの哲学者)-
『幸せになりたいなら、
持っているものを増やすのではなく、
欲望を減らしなさい。』
-セネカ(ローマ帝国の政治家・哲学者・詩人)-
『もっと欲しいという思いが
人生を苦しくします。』
-アルボムッレ・スマナサーラ(僧侶)-
『貧しい人というのは、
物を持っていない人のことではない。
真に貧しい人というのは、
際限なく物を欲しがり
永遠に満たされない人のことである。』
-ホセ・ムヒカ(ウルグアイ第40代大統領)-
『所有すればするほど、
とらわれてしまうのです。
より少なく所有すれば、
より自由でいられます。』
-マザー・テレサ(修道女)-
『自己の望みを、
人間や物におくのは
愚かなことである。
より多く持つことより、
より少なく望むことを常に選べ。』
-トマス・ア・ケンピス(神秘思想家・神学者)-
『望みを持とう。
でも望みは多すぎてはいけない。』
-モーツァルト(作曲家・演奏家)-
『不自由を、常と思えば、
不足なし。
心に望み起こらば、
困窮したるときを思い出すべし。』
-徳川 家康(武将・戦国大名・江戸幕府の初代征夷大将軍)-
『私は持っているもので
贅沢に暮らすことができます。』
-ホセ・ムヒカ(ウルグアイ第40代大統領)-
『文句を言ったり
不満ばかり言っている奴は、
人生終わるまで
不満を抱き続ける人間になるぞ。』
-田中 角栄(第64・65代 内閣総理大臣・建築士)-
『おいしい料理も、呑みこんでしまえば
我々の感覚にとってはないも同じだ。
欲求はそれを満足させたとたんに、
もはや我々には関係ないものになる。』
-ショーペンハウアー(哲学者)-
『所有欲は、休みさえ与えてはくれない。
内面の豊かさ、
精神の幸福、
気高い理想、
といった人間として大切なものは
無視されるようになる。』
-フリードリヒ・ニーチェ(哲学者)-
『生き物に願望があるのは、
願望を満足させてくれるものが
存在しているからだ。
赤ん坊は空腹を感じる。
それは、食べ物というものが
存在するからだ。
アヒルの雛は泳ごうとする。
それは、水というものが
存在するからだ。
人は肉欲を覚える。
それは、セックスというものが
存在するからだ。
もし私がこの世界では満たされない
願望を抱いているとしたら、
それは私が別の世界のために造られた
という説明ぐらいしか成り立たないだろう。』
-C・S・ルイス(学者・作家)-
『私は誰にも何も求めないので
幸せでいられます。
お金もどうでもいい。
勲章も、肩書も、名誉も、
私には何の意味もありません。
称賛も欲しくありません。
私に喜びをもたらすただひとつのものは、
仕事、バイオリン、ヨットを別にすれば、
ともに働いた人々への感謝だけです。』
-アインシュタイン(物理学者)-
無欲=満足?
欲がないこと、
満足していること、
似ているようで違いますね。
欲はなくそうと思えば思うほどに、
逆に思考は、欲に囚われていきます。
欲を手放してください。
無用な欲は、欲に対して、
受け入れることも、
拒絶することもしないで、
横の方に置いておきましょう。
そして、考えてみましょう。
あなたが心から
望んでいるものは何でしょうか?
あなたが持っているもので、
大切なものは何でしょうか?
『欲望を無くそうとする欲こそ、
もっとも大きい欲だということに
何故気づかんのか。』
-中村 天風(実業家・思想家・ヨーガ行者)-
『欲は全ての進化と向上の源泉である。
欲を押さえつける必要など少しもない。
求めれば求めるほど愉快になり、
楽しくなるのが本当の欲である。
しかも、
人の喜びが自分の楽しみとなるものが最も尊い。
この尊い欲の炎をもっともっと燃やすことである。』
-中村 天風(実業家・思想家・ヨーガ行者)-
『世の中の人はみんな、
聖人は無欲だと思っているが、
そうではない。
その実は大欲であって、
正大なのだ。
賢人がこれに次ぐもので、
君子はそのまた次だ。
凡夫のごときは、
小欲の最も小なるものだ。』
-二宮 尊徳(金治郎)(農村復興政策を指導)-
『大欲は無欲に似たり。』
-吉田 兼好(官人・遁世者・歌人・随筆家)-
願望
『もし貴方が忍耐力に欠けていると思うなら、
その原因はあなたの望みにある。
もっとあなたの望みの炎を燃え上がらせて、
大きなものとすることにより、
忍耐力もそれに比例して強くなるものだ。』
-ナポレオン・ヒル(作家)-
『心の純粋さとは、
ひとつのものを望むことである。』
-セーレン・キェルケゴール(哲学者・思想家)-
『あらゆる成功へのスタート地点は「願望」だ。
このことを常に心に留めておきなさい。』
-ナポレオン・ヒル(作家)-
望みを叶える努力
『知足者富、強行者有志。』
これは老子の言葉の一部ですが、現代語訳すると以下のようになります。
満足することを知っている人が本当に豊かな人で、
努力を続ける人はそれだけで既に目的を果たしている。
つまり純粋な願望を叶えるために行動をしている人は、その努力をしている状態こそが、気持ちが満たされている、本当に満足していると言えるのでしょう。