ストレスにより、体の健康を害したり、精神を病むことが増えていますが、ストレスとは本来、健康で豊かで幸せな人生へと導く土台なのです。
ストレスフルな社会
あなたにとって今、一番ストレスを感じていることは何でしょうか?
- 家庭(夫婦関係・子育て・離婚・離別)
- 健康(病気・怪我・過労・睡眠不足)
- お金(借金・ローン・養育費)
- 仕事(昇格・降格・残業・過密スケジュール・パワハラ)
- 介護
- 勉強
- 趣味
- 人付き合い
- 将来への不安
ストレスを味方につければ大きな力になります。
ストレスが押しつぶされてしまうと、精神的にも肉体的にも、破滅に向かって進んでしまうことになります。
ストレスと幸福度の意外な関係
大きなストレスを感じた度合いが、幸福度・GDP・平均寿命にどれくらい関連しているか?
ギャラップ社が、121カ国、12万人以上の人に調査しました。
ギャラップは、本社がアメリカにあり、50ヵ国におよぶ世論調査会社が加盟するネットワークも形成する、信頼性が高い世論調査会社です。
結果は意外にも、
ストレス度数の高い国ほど、
平均寿命が長く、GDPが高かったのです。
また、ストレス度数が高い国では、
幸福度や人生の満足度も高かったのです。
ストレスは本来、健康や精神を害するものではなく、
健康で豊かで幸せな人生へと導くものなのです。
では、ストレスに対して、どのように対応すればいいのでしょうか?
ストレス コーピング
コーピングとは「対処する」という意味です。
ストレスのきっかけとなるできごと「ストレッサー」に対して、どのように対処するか。
方法を知ることで、ストレスがプラスに働くように対処しましょう。
心理学のストレス対策
ストレス対策として、アメリカ心理学会は5つの対策を勧めています。
- ストレスの原因を避ける
- 運動
- 笑う
- サポートを得る
- マインドフルネス
(4)以外は、ストレッサーへの対策というよりも、精神的にネガティブな状態からニュートラルな状態へ戻す方法ですね。
認知行動療法のコーピング
認知行動療法を応用した「ストレスコーピング」では、
ストレスを受けると、
- 自分に害をもたらすかどうか
- そのストレスを軽減できるかどうか
を評価することで、
「ストレスを認知し、
何らかのコーピングをおこなう」
というプロセスを踏みます。
コーピングは、問題焦点型と、情動焦点型の二つに大きく分類できます。
問題焦点コーピング
ストレスの対象そのもの(基)を取り除くことが目的です。
ストレスの対象に直接働きかけて、それ自体を変化させて問題解決を図ろうとすることで、ストレスを軽減するものです。
(例)厳しい営業目標にストレスを感じている
- 目標を達成するための手法を見直す
(上司や同僚にアドバイスを求める)
- 目標そのものを見直し、達成可能なレベルに落とし込む(スモールステップ)、ステップアップしていく
- 担当する人を増やす
(環境を変化させる)
- 担当から外れる
情動焦点コーピング
ストレスの対象そのもの(基)ではなく、自分の考え方、受け止め方を変えます。
それによって引き起こされた怒りや不安・悲しみを低減させることが目的です。
(例)職場の人間関係で悩んでいる
- 価値観が人それぞれ違うので、気が合う人も、気が合わない人もいるのが、当然だと考える
- 職場だけが生活のすべてではないので、周りの人のことは気にせず、淡々と職務に専念する
- 人間観察の機会だと考える
- 職場の環境づくりに挑戦できるチャンスであると考える
頭を切り替えるコーピング
(気晴らし型コーピング)
気分転換を図る、ストレス解消法です。
1. 気晴らし方法をリストアップ
ストレスに対してどんな気晴らしや対処法を行えば効果的か、自分なりにリストアップします。
「できるだけ多くあげる」ことが大切です。
100個を目標に思いつくままに、どんどん書き出していきましょう。
2. ストレスを分析する
実際にストレスがかかった時、それがどういうストレスなのか、自分が何を感じたかモニタリングします。
弱いストレスか強いストレスか。
そして、自分の体にはどのような反応として現れたか、
例えば心臓がドキドキする体の反応か、気分が沈む心の反応か、
客観的に観察します。
3. ストレスに合わせた気晴らしをする
そのストレスに見合った気晴らしや対処法を行います。
体に反応が現れることが多い「頑張るストレス」の時には、音楽を聴いてリラックスするなど、気分をしずめるものが効果的と考えられています。
逆に、心に反応が現れることが多い「我慢するストレス」の時には、カラオケで盛り上がるなど、気分を上げるものが効果的と考えられています。
4. ストレスが解消されたか分析する
その結果、ストレスが減ったかどうかを自分で判断します。
ストレスがかなり減っているようなら、その対処法に効果があったということになります。
まだストレスを感じていたら、さらに対処法を続けたり、別の対処法に切り替えたりします。
このように、自らのストレスの観察、そして対処法を、意識的、徹底的に繰り返すことが大切です。
100個の気晴らし方法の例
- 好きなもの、食べたいものを少し食べる
(食べすぎないると気分が落ち込みます)
- 好きな音楽やその時の感情に合った音楽を聴く
- 楽しい映画やドラマを観る
- 好きな漫画を読む
- 歌を歌ったり、大声を出す
- コメディを見て心から笑う
- 深呼吸してリラックスする
- 空の色や雲をチェックする
- 背伸びをして体を伸ばす
- 目の上を手で温める
- 頭を撫でる
- 肩をグルグル回す
- お気に入りの言葉を紙に書く
- 土に触れる
- 太陽の光を浴びる
- 遠くの山や夜の星を眺める
- 自然の音に耳を澄ませる
- 花を飾る
- 犬や猫をなでる
- 世界の絶景の写真を観る
- 楽しい出来事を思い出す
- 成功体験を思い出す
- 英語の勉強をする
- 美術館に行く
- 女子会を計画する
- ぬいぐるみを抱きしめる
- 少女マンガを読み返す
- 「よく頑張った!」と心で自分を褒める
- ラベンダーの香りのアロマを使う
- 学生時代の写真を見る
- ヒノキの香りを嗅ぐ
- シナモンの香りを嗅ぐ
- 赤ワインを舌で味わって飲む
- いつもとは違うルートで帰宅する
- 退社時に「終わったー!」と自分に言う
- サンドイッチを作り、公園で食べる
- 映画館に行ってアニメ映画を見る
- 友達と週末にランチする
- 海を見に行く
- 夕日が沈むのをぼーっと眺める
- 髪型を変える
- 普段は着ない服を着る
- 新しいネクタイを買う
- 昔好きだった懐かしい曲を聞く
- ゆったりと入浴する
- 早寝早起きをする
- 気ままに散歩をする
- スキップする
- スポーツやジョギングで身体を動かして発散する
- ドライブをする
- ハーブティーの香りをかぐ
- かわいいマグカップを買う
- 料理をオシャレな皿に盛り付ける
- 贅沢な朝食を楽しむ
- 野菜を山盛り食べる
- お香をたく
- ロウソクの火を見つめる
- 靴をピカピカに磨く
- 爪の手入れをする
- 靴下を買い換える
- 部屋を整理する
- 要らない物を捨てる
- カフェでコーヒーを飲む
- チョコレートを食べる
- 少しだけお酒を飲む
- 食べたことのない料理を食べてみる
- お菓子を作る
- 家庭の味を再現する
- 激辛料理にチャレンジする
- おいしい水を味わう
- 料理の写真を撮る
- 温泉に行く
- 楽器を弾く
- ヒーリングミュージックを聴く
- イラスト付きの日記を書く
- マッサージをしてもらう
- やわらかい布団で横になる
- 森林浴をして過ごす
- 水族館に行って魚を眺める
- 人間観察をする
- 旅行で行きたいところを考える
- ヘッドスパをする
- ジムに行って筋トレする
- プールで泳ぐ
- 地方の名産品を取り寄せてみる
- 本屋で面白そうな本を探す
- スマホのアプリを整理する
- 家族に電話する
- 友達とラインする
- 「ありがとう」と周りの人に言う
- お気に入りの物をプレゼントする
- 瞑想をする
- 鏡を見ながら自分に話しかける
- マッサージをして体をほぐす
- ヨガをする
- スポーツに参加する
- 腹式呼吸をする
- 座禅をする