健康ライフGame

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精神的なストレスと健康

ストレスは敵?

ストレスは体に悪いというイメージが強いですが、ストレス自体には良いも悪いもありません。

ストレス反応への受け止め方によって、ストレスが人を死に追い込むこともあれば、ストレスが人を賢く強くすることもあるのです。

世界でストレスが原因とみられる心と体の病が急増しています。

「キラーストレス」と呼ばれるストレスは、人の体に「ストレス反応の暴走」を引き起こして、脳細胞や血管を破壊し、人を死に追い込む病です。

ストレスの考え方や対処の方法を知ることによって、ストレスから守るだけでなく、ストレスから心にも体にも良い影響を受けることができます。

ストレスを対処する方法を知り、ストレスを武器に変えましょう。

ストレスを武器にするには

ストレスは自分を賢く強くするために起こっていて

何かが起きた時に、
"なぜ"ではなく"何のために"
起きたのか?

と考えることが重要です。

ストレスは健康に悪いから、
なるべく避けたり、減らしたりしなければならない

ではなく

ストレスは役に立つから、
受け入れて、成長するための原動力にしよう!

と考えてみましょう。

ストレス反応とは何か

ストレス反応は、ストレスの元となる「ストレッサー」から危険を回避するために、ストレスを解消しようとする体の防御反応です。

見たり、聞いたり、感じたりと、
五感から刺激を受けて、ストレッサーにより、
自分にとって大切なものが脅かされている状態
を認知します。

人間は、不安や恐怖を感じると、"視床下部 - 下垂体 - 副腎軸(HPA軸)反応"と呼ばれるストレス応答を起こします。

中枢から下垂体を経由した副腎への指令によって、ストレスホルモンと呼ばれるホルモン「コルチゾール」やアドレナリンといった副腎皮質ホルモンが体内に分泌されます。

交感神経の活性化(自律神経の興奮)とともに、コルチゾールは血糖値を上げる、心拍数を上昇させる作用があります。

血管が収縮し、血圧が高くなるといった反応が起こります。

呼吸が速くなり、脳により多くの酸素が取り込まれます。

エネルギーがいつでも出せる状態を作り、ストレッサーに集中します。

身体の活性化がおこなわれ、危険を感じたときに体が直ぐに動けるように備えています。

ストレス反応により、体が活力を上げ挑戦に備えている状態をつくり、瞬時の判断と行動ができるようになります。

このストレス反応そのものは、恒常性(ホメオスタシス)が崩れた生体を立て直して、回復させるための反応ですから、適度なストレスであれば生体に有益な反応といえます。

ストレス反応は危険から身を守る

例えば、ライオンに遭遇する危険がある場合、すぐに逃げられるように、交感神経が優位になり、呼吸を早くして酸素を取り込み、血圧を上げます。

現代社会で例えると、暗い夜道を女性が一人で歩いている場合がわかりやすいかと思います。

ゆったりとリラックスしている時に突如、危険が迫ったとすると、とっさの判断や動きができません。

ストレス反応により、集中して呼吸を早めることで、些細なことに気づいて、素早い対応をとることができます。

様々なストレッサー

ストレッサーには、人間関係や仕事のトラブルなど心に負担となる「精神的ストレス」、体内の炎症や活性酸素、過労、睡眠不足などの「肉体的ストレス」、暑さや寒さなど「環境的ストレス」があります。

精神的ストレス

比較的意識しやすいストレスだが、現代人は精神的ストレスが多いため、負担を抱えすぎないよう注意する必要があります。

  • 人間関係
    • 夫婦げんか
    • 職場で上司・部下とのトラブル
  • 悲しい出来事
    • 友人の死
    • 親族の死
    • ペットの死
  • 自分の心身
    • タイトすぎるスケジュール
    • 多忙による心身の過労
    • 自分の病気やけが
  • 仕事
    • 仕事上のミス
    • 転職・会社を変わる
    • 同僚の昇進・昇格
    • 人事異動
    • 労働条件の大きな変化
    • 仕事のペース、活動の増加・減少
    • 個人的成功
    • 仕事に打ち込む
    • 技術革新の進歩
  • 生活環境の激しい変化
    • 結婚・離婚や夫婦の別居・単身赴任
    • 定年退職
    • 団らんする家族メンバーの変化・息子や娘が家を離れる・新しい家族が増える
    • 引っ越し
    • 自己の習慣の変化
    • 長期休暇
    • 住宅環境の大きな変化
    • 家族の健康の大きな変化
  • お金
    • 借金
    • 住宅ローン
    • 収入の増加・減少
    • 妻(夫)が仕事を始める
  • 性的問題・障害

肉体的ストレス

  • 過労
  • 睡眠不足
  • 炎症
  • 便秘
  • 食べ過ぎ
  • 飲み過ぎ
  • 栄養不足

環境的ストレス

  • 暑さ・寒さ
  • 湿気
  • 騒音
  • 化学物質の匂い・異臭
  • 大気汚染
  • 人ごみ
  • 放射線
  • カビ
  • 殺虫剤
  • 有機溶剤

好ましくないストレス反応

心理的な変化:
不安、怒り、焦り、イライラ、緊張、気分が落ち込む、憂鬱になる、情緒の不安定、無気力になる

身体的な変化:
過呼吸、偏頭痛、腹痛、胃もたれ、胃炎、動悸、めまい、便秘、下痢、血圧上昇、疲労感、食欲不振、身体の不調、生理不順、疲れやすい、疲れがとれない

ストレスをためやすいタイプ

以下のような人が、一般的にはストレスをためやすいタイプと言われています。

  • 完璧主義者
  • 真面目で責任感が強い人
  • 我慢強い人
  • 頑張りすぎてしまう人
  • 競争心が強い人
  • 自己評価が高い人
  • 気を遣いすぎる人
  • 常に相手のことばかり考えてしまう人
  • 自己主張ができない人
  • 自分に自信がない人
  • 自己評価が低い人
  • 細かいことにこだわってしまう人
  • 短気な人
  • 運動不足の人

慢性的なストレスにさらされると

ストレスホルモンのコルチゾールを分泌している状態が長く続くと、過剰な状態に陥り、様々な病気を引き起こしたり悪化させたりします。

免疫力が低下したり、筋肉の合成を抑制するばかりか分解を促進したり、骨の形成を抑制してしまいます。

記憶を司り感情に関わる脳の海馬で、神経細胞の突起が減少するため、認知症やうつ病になる可能性があります。

また血管が破壊され、脳卒中や心筋梗塞、大動脈破裂を引き起こします。

他にも慢性的なストレスにより起こる病気に、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍などもあり、過剰なストレス反応は、命に関わります。

慢性的なストレスに関係する病気

うつ病、うつ状態
  • 気分がひどく落ち込む、憂うつな気分
  • 興味や楽しみがもてない
  • 気持ちが焦る、イライラしやすい
  • 気力がなく、何をするのにも億劫である
  • 思考力や集中力が低下する、考えが浮かんでこない
  • マイナス思考などの状態が続く

うつの症状は、朝がひどく、午後から夕方になると軽快する特徴があります。身体の症状が出る場合も多くみられます。

  • 不眠または過眠、夜中に目が覚める、どれだけ寝ても眠気がとれない
  • 食欲減退や過食、体重の減少または増加
  • 疲れやすい、疲労感
不安神経症、パニック障害
  • 突然、動悸が激しくなり、息苦しさ、冷や汗、めまい感などが起こる
  • 強い不安・恐怖を感じる
適応障害

環境の変化や仕事や生活上のストレスの多い出来事などが原因となって起こり、日常生活になんらかの支障をきたすものをいいます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)、ASD(急性ストレス障害)

通常では起こることのないショッキングな出来事が、自分や身近な人に起こることがきっかけで発症します。

この出来事をトラウマ体験といいます。意図しないのに繰り返し思い出されたり、不眠やイライラなどが症状としてみられます。

摂食障害

ダイエットやストレスなどがきっかけとなり、食行動の異常を主な症状とする、若い女性に多い病気です。

拒食症と、過食症の主に2つの型に分かれますが、拒食症から過食症へ症状が移行する場合もあります。

拒食症

「食べられない」
「食べたくない」

などの理由から、食事量が低下し体重減少をきたした状態。

過食症

「食べ過ぎてしまう」
「食べずにはいられない」

といった食欲のコントロールができずに、食べすぎてしまう病。

アルコール依存症

アルコール依存症は、次の3つの特徴がある病気です。

  1. 精神的な依存
    (自分でお酒の飲み方をコントロールできない)
  2. 身体症状
    (お酒がきれると頭痛、イライラ、手の震え、せん妄など離脱症状がでる)
  3. 耐性の形成
    (飲み続けることでお酒に強くなり、次第に酔うために必要な量が増す)

悪化すると、人格の変化や身体的な障害により死に至ることもあります。

家族にも精神的な障害を生じさせることでも問題となっています。

ストレスは成功へと導く

米国でおこなわれた研究結果、
ストレスは考え方によって
「害」にも「武器」にもなることがわかりました。

ストレスへの考え方を変えることで、
ストレスへの体の反応を変えることができます。

ストレスが与える健康への影響

「この1年間でどれくらいのストレスを感じましたか?」
「ストレスは健康に悪いと思いますか?」

この2つの質問をして、
8年後に、3万人のうち誰が亡くなったかを
1998年にアメリカで、3万人の成人を対象に調査しました。

  • ストレスがほとんどない
  • ストレスが少ない
  • 中度のストレスがある
  • 強度のストレスがある
    • ストレスは健康に悪いと思う
      → 死亡リスクが43%も高まる
    • ストレスは健康に悪いと思っていない
      → 死亡リスクが調査対象の中で最も低い

前の年に「強度のストレスがある」と答えた人で、
「ストレスは健康に悪い」と思っていた人は、
死亡リスクが43%も高くなっていました。

逆に「強度のストレスがある」と答えた人で、
「ストレスを害と思ってない人」は、
死亡率が上がらないどころか、調査対象の中で(ストレスが比較的少なかった人よりも)死亡リスクが最も低かったのです。

考え方で変わる
ストレス反応による体の変化

ストレスへの考え方を変えれば人は健康になれます。

「ストレスは健康に悪い」
という思い込みによって
実際にストレスが体に有害となります。

ストレスは自分の助けになる
と思っているなら
実際にストレスが体に無害どころか有益となります。

社会的ストレステスト

人を強いストレスにさらす実験です。

被験者は研究施設にやって来て、自分の弱点について5分間の即興スピーチをずらりと並ぶ審査員を前に行うよう言われます。

さらにプレッシャーがかかるよう、まぶしい照明を当てて、顔にカメラを向けます。

そして審査員たちはげんなりするような非言語的フィードバック(あきれたというような表情)を与えるよう示し合わせています。

被験者のやる気を十分に削いだところで、第2部として数学のテストをします。

996から始めて7ずつ減らしていってください。
声に出して出来るだけ早くやってください。

始め!
ほら急いで。
もっと速く。
間違ったので、はじめからやり直し!

試験官は被験者を苦しめるように仕組まれています。

被験者は、相当ストレスを感じると思います。

心拍が速くなり、呼吸が速くなり、汗もかき始めるかもしれません。

そのような肉体的反応は、

不安やプレッシャーにうまく対応できていないしるし

と見なされています。
もしそれを

体が活力を上げ挑戦に備えているしるし

だと見たらどうなるでしょう?

これはハーバード大学の実験で被験者の言われたことです。

社会的ストレステストを受ける前に、被験者はストレス反応は有益だと考えるよう教えられます。

心拍が高まるのは行動に備えているからだし、呼吸が速くなるのも良いことで、脳により多くの酸素が取り込まれます。

ストレス反応は成績を上げる助けになると思うようになった被験者は、パニックや不安に陥らず自信を持つようになったんです。

典型的なストレス反応

典型的なストレス反応では、心拍数が増加し、血管が収縮します。

このため慢性的なストレスが心血管疾患の原因になります。

ストレス反応は有益だと教えられた場合の
体の反応の変化

「ストレス反応は助けになる」と思うようになった被験者の場合、血管が弛緩したままだったのです。

心拍は速くなるにせよ、心血管系がずっと好ましい状態になっています。

それはむしろ喜んで興奮したり勇気を振り絞ったときの状態に近いものです。

生涯のストレス体験を通じてのこの肉体的反応の違いは、

  • 50歳で心臓発作を起こすか
  • 90代まで健康を維持するか

という違いを生み出しうるものです。

健康に良いストレスの考え方
ストレスに対処する「最善の方法」

「抑えなくちゃ」「気にしないようにしよう」と
ストレスを減らそう、避けようとするよりも

ストレスについての考え方を変えて、
ストレスを受け入れることです。

ストレスについての考え方を変えることで、
"もっと健康で幸せになれる"のです。

ストレス反応に直接向き合って、利用します。

例えば、
今、自分は緊張している、、
「失敗したらどうしよう」
と考えるのではなく、

今、自分は緊張している、、これは自然なことだから、
この緊張を活かして頑張ろう
と考えます。

緊張は集中するために必要な反応なのです。

ストレスをどう捕らえるか
  1. ストレスは集注するための体の反応
  2. ストレスを感じているのは思い入れがあることの証し
  3. ストレスは自分が使えるエネルギー源
  4. ストレスがあるから深く考えることができる
  5. ストレスは心身の助けになる
  6. ストレスは人を社交的にする
  7. ストレスは人を賢く強くし、成功へと導く
  8. ストレスによって、もっと健康で幸せになれる

人はストレスの経験から学び、成長することができます。

そして、勇気や思いやりを持つこともできるのです。

ストレスが人との結びつきを強める

大きなストレスを感じている時には、誰かに気持ちを打ち明けたくなりませんか?

強いストレスを乗り越えた仲間と、絆が深まる経験をしたことはありますか?

ストレスは、人との結びつきを強めるよう促します。

幸せホルモン:オキシトシンが心身を守る

幸せホルモン、抱擁ホルモンとも呼ばれるホルモン「オキシトシン」。

触れ合う、スキンシップ、ハグしたときに出るのが、このホルモンです。

実はオキシトシンもストレスホルモンです。

ストレス反応として放出されると、人の支えを求めたくなります。

オキシトシンは友達や家族との触れ合いを求めさせます。

共感を強め、大切な人たちを支え助けたい気持ちにさせます。

オキシトシンは脳に働きかけるだけでなく、体にも作用します。

大きな役割は、ストレスの影響から心血管系を守ることです。

1,000人のアメリカ人の成人を対象にした調査では、大きなストレスにより5年後の死亡リスクが30%高くなりました。

これに対して、他の人を助けるのに時間をかけていた人では、死亡リスクの増加が全くみられなかったという調査結果もでています。

オキシトシンを分泌させる人との触れ合いや、他の人を助けることによって、ストレスから体を守ることができます。

オキシトシンを分泌させる方法
  • 抱擁/ハグをする
  • 手をつないで見つめ合う
  • キスする
  • 愛撫・性交渉
  • 人にマッサージをする
  • 家族団らん
  • 友達と食事をする
  • おしゃべりをする
  • 信頼している人に電話をかける
  • 感情を素直に表す
  • 友達とカラオケにいく
  • ペットとスキンシップをとる
  • かわいい動物を見る
  • プレゼントを贈る
  • 親切を心がける
  • 人に料理を作る
  • 好きな人の写真を見る
  • 感動する
  • 大好物を食べる

ストレス対策

ストレスは考え方や状態によって心にも体に良い影響がありますが、

  • ストレスを武器にできない
  • ストレスが負担になる

という時には、心にも体に悪い影響がありますので、ストレス対策をしましょう。

ストレス対策として、アメリカ心理学会は5つの対策を勧めています。

  1. ストレスの原因を避ける
  2. 運動
  3. 笑う
  4. サポートを得る
  5. マインドフルネス

ストレスの種類

ストレスには「我慢する」ストレスと「頑張る」ストレスの2種類があります。

バランスをとるために、耐えている時には発散する、頑張っている時にはリラックスをする対策をすると効果的です。

「我慢する」ストレス
↓(気持ちを抑えているから)
発散して気分を盛り上げる時間をつくる

「頑張る」ストレス
↓(気持ちを奮い立たせているから)
リラックス・気分を静める時間をつくる

ストレスから頭を切り替える技:
ストレスコーピング

手軽にできるストレス対策が認知行動療法を応用した「ストレスコーピング」です。

コーピングとは「対処する」という意味です。

ストレスコーピングは、
ストレスにうまく対処しようとすること
を指します。

ストレスを受けると、

  • 自分に害をもたらすかどうか
  • そのストレスを軽減できるかどうか

を評価することで、
「ストレスを認知し、
何らかのコーピングをおこなう」
というプロセスを踏みます。

コーピングは、問題焦点型と、情動焦点型の二つに大きく分類できます。

問題焦点コーピング

ストレスの対象そのもの(基)を取り除くことが目的です。

ストレスの対象に直接働きかけて、それ自体を変化させて問題解決を図ろうとすることで、ストレスを軽減するものです。

(例)厳しい営業目標にストレスを感じている
  • 目標を達成するための手法を見直す
    (上司や同僚にアドバイスを求める)
  • 目標そのものを見直し、達成可能なレベルに落とし込む(スモールステップ)、ステップアップしていく
  • 担当する人を増やす
    (環境を変化させる)
  • 担当から外れる
情動焦点コーピング

ストレスの対象そのもの(基)ではなく、自分の考え方、受け止め方を変えます。

それによって引き起こされた怒りや不安・悲しみを低減させることが目的です。

(例)職場の人間関係で悩んでいる
  • 価値観が人それぞれ違うので、気が合う人も、気が合わない人もいるのが、当然だと考える
  • 職場だけが生活のすべてではないので、周りの人のことは気にせず、淡々と職務に専念する
  • 人間観察の機会だと考える
  • 職場の環境づくりに挑戦できるチャンスであると考える
気晴らし型コーピング

気分転換を図る、ストレス解消法です。

ストレスコーピング(気晴らし型コーピング)のやり方

1. 気晴らし方法をリストアップ

ストレスに対してどんな気晴らしや対処法を行えば効果的か、自分なりにリストアップします。

「できるだけ多くあげる」ことが大切です。
100個を目標に思いつくままに、どんどん書き出していきましょう。

2. ストレスを分析する

実際にストレスがかかった時、それがどういうストレスなのか、自分が何を感じたかモニタリングします。

弱いストレスか強いストレスか。
そして、自分の体にはどのような反応として現れたか、
例えば心臓がドキドキする体の反応か、気分が沈む心の反応か、
客観的に観察します。

3. ストレスに合わせた気晴らしをする

そのストレスに見合った気晴らしや対処法を行います。

体に反応が現れることが多い「頑張るストレス」の時には、音楽を聴いてリラックスするなど、気分をしずめるものが効果的と考えられています。

逆に、心に反応が現れることが多い「我慢するストレス」の時には、カラオケで盛り上がるなど、気分を上げるものが効果的と考えられています。

4. ストレスが解消されたか分析する

その結果、ストレスが減ったかどうかを自分で判断します。

ストレスがかなり減っているようなら、その対処法に効果があったということになります。

まだストレスを感じていたら、さらに対処法を続けたり、別の対処法に切り替えたりします。

このように、自らのストレスの観察、そして対処法を、意識的、徹底的に繰り返すことが大切です。

100個の気晴らし方法の例
  • 好きなもの、食べたいものを少し食べる
    (食べすぎないると気分が落ち込みます)
  • 好きな音楽やその時の感情に合った音楽を聴く
  • 楽しい映画やドラマを観る
  • 好きな漫画を読む
  • 歌を歌ったり、大声を出す
  • コメディを見て心から笑う
  • 深呼吸してリラックスする
  • 空の色や雲をチェックする
  • 背伸びをして体を伸ばす
  • 目の上を手で温める
  • 頭を撫でる
  • 肩をグルグル回す
  • お気に入りの言葉を紙に書く
  • 土に触れる
  • 太陽の光を浴びる
  • 遠くの山や夜の星を眺める
  • 自然の音に耳を澄ませる
  • 花を飾る
  • 犬や猫をなでる
  • 世界の絶景の写真を観る
  • 楽しい出来事を思い出す
  • 成功体験を思い出す
  • 英語の勉強をする
  • 美術館に行く
  • 女子会を計画する
  • ぬいぐるみを抱きしめる
  • 少女マンガを読み返す
  • 「よく頑張った!」と心で自分を褒める
  • ラベンダーの香りのアロマを使う
  • 学生時代の写真を見る
  • ヒノキの香りを嗅ぐ
  • シナモンの香りを嗅ぐ
  • 赤ワインを舌で味わって飲む
  • いつもとは違うルートで帰宅する
  • 退社時に「終わったー!」と自分に言う
  • サンドイッチを作り、公園で食べる
  • 映画館に行ってアニメ映画を見る
  • 友達と週末にランチする
  • 海を見に行く
  • 夕日が沈むのをぼーっと眺める
  • 髪型を変える
  • 普段は着ない服を着る
  • 新しいネクタイを買う
  • 昔好きだった懐かしい曲を聞く
  • ゆったりと入浴する
  • 早寝早起きをする
  • 気ままに散歩をする
  • スキップする
  • スポーツやジョギングで身体を動かして発散する
  • ドライブをする
  • ハーブティーの香りをかぐ
  • かわいいマグカップを買う
  • 料理をオシャレな皿に盛り付ける
  • 贅沢な朝食を楽しむ
  • 野菜を山盛り食べる
  • お香をたく
  • ロウソクの火を見つめる
  • 靴をピカピカに磨く
  • 爪の手入れをする
  • 靴下を買い換える
  • 部屋を整理する
  • 要らない物を捨てる
  • カフェでコーヒーを飲む
  • チョコレートを食べる
  • 少しだけお酒を飲む
  • 食べたことのない料理を食べてみる
  • お菓子を作る
  • 家庭の味を再現する
  • 激辛料理にチャレンジする
  • おいしい水を味わう
  • 料理の写真を撮る
  • 温泉に行く
  • 楽器を弾く
  • ヒーリングミュージックを聴く
  • イラスト付きの日記を書く
  • マッサージをしてもらう
  • やわらかい布団で横になる
  • 森林浴をして過ごす
  • 水族館に行って魚を眺める
  • 人間観察をする
  • 旅行で行きたいところを考える
  • ヘッドスパをする
  • ジムに行って筋トレする
  • プールで泳ぐ
  • 地方の名産品を取り寄せてみる
  • 本屋で面白そうな本を探す
  • スマホのアプリを整理する
  • 家族に電話する
  • 友達とラインする
  • 「ありがとう」と周りの人に言う
  • お気に入りの物をプレゼントする
  • 瞑想をする
  • 鏡を見ながら自分に話しかける
  • マッサージをして体をほぐす
  • ヨガをする
  • スポーツに参加する
  • 腹式呼吸をする
  • 座禅をする

ストレス予防のための食生活

特定の食物や栄養素に偏らないように、バランス良く、色々な食物を食べましょう。

精製されたものや、砂糖を摂り過ぎたり、間食としてお菓子、菓子パンをできるだけ食べないようにしましょう。

よく噛んで食べることも重要です。

ビタミンC

ストレスがかかるとビタミンCが大量に消費されてしまいます。

ビタミンCをたくさん摂ることで、ストレスに対するからだの抵抗力が高まると考えられています。

ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。

ビタミンCを多く含む野菜・果物

野菜:
ブロッコリー、ピーマン、ケール、赤ピーマン、かいわれだいこん

果物:
いちご、レモン、キウイフルーツ、ゆず

ビタミンB12

脳神経の正常な働きにかかわります。

あさり、しじみ、牡蠣、サンマ、イワシ、サバなどの魚介類やレバーに特に多く含まれています。

EPA・DHA

魚介類に含まれる不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)にうつ予防に効果があることが知られています。

トリプトファン

必須アミノ酸のひとつで、セロトニンの材料になります。体の中では作り出せないため、食物からとることが必要です。

大豆製品、魚、豚肉、牛肉、卵、ナッツ、バナナなどに含まれます。

ビタミンB6

トリプトファンからセロトニンが合成されるために必要です。

サンマ、イワシ、カツオ、マグロ、サケ、にんにく、牛レバー、バナナなどに含まれます。

セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの合成に不可欠です。

ひじき、きくらげ、干しエビ、パセリ、しじみなどに含まれます。

カルシウムとマグネシウム

神経伝達物質を放出するときに不可欠です。

カルシウムは、ごま、わかめ、とろろ昆布、牛乳、チーズなどに含まれます。

マグネシウムは、わかめ、とろろ昆布、焼き海苔、干しエビなどに含まれます。

大きなストレスに対しては
逃避することは危険!

本当のトラウマ(心的外傷)を経験されている人、例えば、

  • 犯罪の被害にあう
  • 愛する人を亡くす

など大きなストレスを経験した人にとって、
「自分の経験を考えないようにすること」
は、前に向かっていくために何の助けにもならないことが、様々な研究で明らかになっています。

そのことについて考えないようにし、逃避していると、「自滅行動」につながってしまうことが多いのです。

書くことで、自分で経験を意図的に思い出す

自分自身が選んで、思い出す「意図的反芻(意図的に思い出す)」。

「自分で何があったのか思い出してもいい」
という許可を、意図的に自分に与えることです。

「こうすればよかった」
というのは後ろ向きな考え方ですが、
前に進むための力というのは、
この「意図的反芻」から生まれます。

そのためにも、書くことが大事です。

自分の経験を書く行為というのは、
ヒーリング効果が最も高いやり方なのです。

感じていること、起きたことを
「言葉にする」
ことは、癒やしの効果があると、研究で分かっています。

「自分にどんな辛いことが起きたのか」
ということを受け入れながら、
「ありのままに自分が感じたこと」
を書くことが大切です。

何度も書いていく中で、自然発生的に"前向きなエネルギー"が生まれてくるのです。

成長思考で考える

何かが起きた時に、
「なぜ私にこんなことが起きたのか」
と考えるのではなく、
「何のために起きたのか」
と考えます。

なぜ
ではなく
何のために
と考えることが大事で、
これこそが、成長思考です。

逆境は起きてほしくない
と思っていても、
実際に起きてしまった

ですから、それをいったんは受け入れましょう。

そして、この経験から、

  • 自分自身がより良い状態になるためにどうしていくのか
  • この経験が他人を助けるためにどう役立つか

考えていきましょう。

ストレスをネガティブではなく
ポジティブに受け取る能力を鍛える

仕事での成功について
IQによって予測できるのは25%だけで
残りの75%は

  • 楽観の度合い
  • 周りからのサポート
  • ストレスを脅威ではなく挑戦と受け取る能力

にかかっているのです。

脳の幸福優位性

ポジティブな脳は、ネガティブな脳やストレス下の脳よりも ずっと良く機能します。

知能が上がり、創造性が高まり、活力が増大します。

ポジティブな状態なときに

  • 31%生産性が高くなる
  • 販売で37%成績が上がる
  • 医者は19%早く正確に診断するようになる

現状に対してポジティブになることさえできれば、脳はより熱心に 速く、知的に働き、その結果として、より成功するようになります。

脳がよりポジティブになるトレーニング
ありがたく思うことを3週間、毎日新たに3つ書く

2分半でできるこのことを3週間続けるだけで、脳の回路を書き換えて、より楽観的でより成功するように脳が働くようになります。

ネガティブなものではなく、ポジティブなものをまず見つけようとするパターンが身につきます。

過去24時間のポジティブな体験を日記に書く

脳がそれを追体験することになります。

運動する

行動が大切であることを脳に教えます。

瞑想する

私たちが複数のタスクを同時にしようとして陥る、文化的なADHD(注意欠如・多動症)を克服して、手元にある1つのタスクに集中できるようにします。

意識して親切な行動を取る

例えば、
メールソフトを開くたび、支えてくれる人の誰かに称賛や感謝の気持ちのポジティブなメールを書く
といった親切な行動をしましょう。

ストレス