国連が幸福度調査のレポート「世界幸福度報告」の中で『世界幸福度ランキング』を発表しています。
このランキングは「GDP」や「健康寿命」など、幸福度の要因と考えられるを含む6つの項目を分析して、寄与度を数値化したものです。
国の人が自分で「幸せと感じているか?」のランキングではありません。
では実際にその国に住んでいる人が「自分が幸せ」だと感じている国はどこでしょうか。
スイスの「WIN/Gallup International」という調査機関が発表している、世界の「純粋幸福度」ランキングです。
2017 純粋幸福度ランキング
第1位~第10位です。
- 第1位 フィジー(92)
- 第2位 コロンビア(87)
- 第3位 フィリピン(84)
- 第4位 メキシコ(82)
- 第5位 ベトナム(77)
- 第6位 カザフスタン・パプアニューギニア(74)
- 第8位 インドネシア(68)
- 第9位 インド・アルゼンチン・オランダ(64)
一部の国のランキングを抜粋します。
- 第18位 日本・オーストリア・アイルランド(54)
- 第25位 アメリカ・ロシア(50)
- 第29位 スウェーデン(47)
- 第35位 フランス(43)
- 第37位 イギリス・イタリア・韓国(42)
- 第41位 ドイツ(38)
- 第47位 香港(29)
- 第50位 ブラジル(28)
- 第53位(ワースト第3位) ウクライナ(8)
- 第54位(ワースト第2位) イラク(7)
- 第55位(ワースト第1位) イラン(5)
調査方法
55カ国を対象国
「自分が幸せかどうか?」を
- とても幸せ
- 幸せ
- 幸せでも不幸でもない
- 不幸
- とても不幸
の5段階で評価してもらい、(1)と(2)の合計割合から(4)と(5)の合計割合を差し引いたもので、純粋幸福度を算出しています。
[(1)+(2)]-[(4)+(5)]= 純粋幸福度
フィジーを始め、ランキングのトップ10位に入った国々は、幸せを感じている人たちがたくさんいます。
陽気で幸せな国と呼べるのではないでしょうか。
ランキングが国連の結果と全然違う!
国連の「世界幸福度報告」のランキングと比較してみましょう。
まずフィンランド、ノルウェー、デンマークなどランキング上位を占める北欧諸国が調査対象に入っていません。
世界幸福度報告でランキング下位だったのに10位以内に入った国が多数あります。
世界幸福度報告 第71位の「フィリピン」が第3位、
世界幸福度報告 第95位の「ベトナム」が第5位、
世界幸福度報告 第60位の「カザフスタン」が第6位、
世界幸福度報告 第96位の「インドネシア」が第8位、
世界幸福度報告 第133位の「インド」が第9位
という結果でした。
これらの国は発展途上国ですが、幸福先進国と言えますね。
逆に世界幸福度報告でランキング上位だったのに、純粋幸福度が低い国もあります。
世界幸福度報告 第9位の「スウェーデン」が第29位、
世界幸福度報告 第12位の「オーストリア」が第18位、
世界幸福度報告 第14位の「アイルランド」が第18位、
世界幸福度報告 第15位の「ドイツ」が第41位、
世界幸福度報告 第18位の「アメリカ」が第25位、
世界幸福度報告 第19位の「イギリス」が第37位
という結果でした。
中でもドイツの結果は、先進国でありながら幸福後進国と言えるのではないでしょうか。
「ドイツ」
純粋幸福度ランキング 第41位/55カ国
世界幸福度報告 第15位/156カ国
イギリス、フランスも同じような傾向になっています。
「イギリス」
純粋幸福度ランキング 第37位/55カ国
世界幸福度報告 第19位/156カ国
「フランス」
純粋幸福度ランキング 第35位/55カ国
世界幸福度報告 第23位/156カ国
また幸せな国々のイメージが強い北欧で、唯一対象国となっている「スウェーデン」が下位になのにも驚きました。
「スウェーデン」
純粋幸福度ランキング 第29位/55カ国
世界幸福度報告 第9位/156カ国
意外な国がランクイン!
政治腐敗により、2016年まで50年以上にわたる内戦が続いた「コロンビア」が第2位です。
「コロンビア」
純粋幸福度ランキング 第2位/55カ国
世界幸福度報告 第937位/156カ国
人口の40%が貧困層となっているメキシコが第4位です。
「メキシコ」
純粋幸福度ランキング 第4位/55カ国
世界幸福度報告 第24位/156カ国
純粋幸福度 第1位の国「フィジー」
2017年のナンバーワンとなったフィジーですが、2016年も1位、2015年は2位、2014年に1位です。
4年間で3回も1位を獲得している、圧倒的に純粋幸福度が高い国なんです。
フィジーってどんな国?
フィジーは、330以上の島々が南太平洋上に浮かぶ、常夏の島国です。
起伏のある地形、ヤシの木が生い茂るビーチ、透き通ったラグーンのあるサンゴ礁で有名です。
色鮮やかな自然に恵まれ、綺麗な海と白砂のビーチがあります。リゾート地として人気が高く、世界中から大勢の観光客が訪れます。
笑顔あふれるフィジーの人たち
フィジーの人口は約90万人と少なく、面積も四国と同程度という小国です。
経済的には貧しい発展途上国です。世界有数の肥満度で、糖尿病が大きな社会問題になっていて、平均寿命も短い。
財政問題や過去20年間で4度のクーデターなど政治も不安定。
それでも国民は心穏やかで幸せな人生を送っています。
なぜなのか?
助け合いの文化「ケレケレ」
困った時はお互い様、みんなで助け合って生活する「ケレケレ」という文化があります。
「自分の物はみんなの物、みんなの物は自分の物」
食事や衣類、更にはお金まで、国民の誰もがシェアすることが当たり前になっているのです。
ケレケレは、日本語に直訳すると「お願い」という意味で、経済的には決して豊かな国ではないものの、ケレケレの
- 困ってる人がいたら助ける
- 自分が困ったときは助けてもらう
という見返りを求めずに相手を助ける「助け合い」の文化により、生活に心配することなく、大多数の国民が幸福な生活を送っています。
そんな人とのつながりを重視するフィジー人は超フレンドリー。いつでもどこでも気軽にコミュニケーションを取ることができます。
「お金」よりも「人のつながり」を重視する文化こそが、純粋幸福度ランキングで第1位となる理由かもしれません。
総合的に幸福度な国「オランダ」
純粋幸福度ランキング(2017)と世界幸福度報告(2018)のランキングは大きく違っていますが、両方共にベストテン入っている唯一の国がオランダです。
「オランダ」
純粋幸福度ランキング 第9位/55カ国
世界幸福度報告 第6位/156カ国
オランダってどんな国?
国名および通称はオランダ語でNederland(ネーデルラント)。
一人当たりのGDPは、世界的にも上位に位置する裕福な国です。
チューリップと風車の国
平たんな地形で、国土の70%近くが農用地という農業大国。酪農と畜産、果樹とチューリップ、クロッカスなどの園芸農業に特色があります。
水の都
国土の4分の1が海ばつゼロメートル以下で、古くから交通に水路を利用してきました。
中でも首都アムステルダムは運河の街として知られ、市内のいたるところに水路が巡らされています。
自由で寛容な国
オランダは、何ごとに対しても寛容であることが最大の特徴。
同性同士の結婚、結婚の際に夫婦別姓など認められています。
5才から最長18才までが義務教育期間で、公立校、私立校ともに授業料はほとんどかかりません。
学校単位でそれぞれ違った方針で教育をしていて、13才から学校を進路によって自由に選ぶことができます。